広島ドラ1栗林「徐々に徐々に上げていきたい」 ピーク想定はあくまでシーズン 自主トレ打ち上げで抱負

[ 2021年1月31日 05:30 ]

マツダスタジアムの屋内練習場で自主トレを打ち上げ、「充実していた」と振り返った広島・栗林
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 広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)が30日、本拠地マツダスタジアムのブルペンで初めて捕手を座らせて11球を投げ、自主トレを打ち上げた。年明けの8日に入寮し、はやる気持ちを抑えてマイペースで調整した23日間。2月1日のキャンプイン後は「ここからが本番」とし、ピークを迎えるシーズンに向けて徐々にギアを上げる構えだ。 

 自主トレ最終日。栗林は満を持して、本拠地マツダスタジアムのブルペンに入った。立ち投げを終えると、今春初めて捕手を座らせて直球のみ11球。寒い中での練習だけに「思う球は1球もなかったぐらい」と振り返りながらも、その表情に陰りは全くなかった。

 「ある程度は制球できたし、バランスの部分も良かった。キャンプでは切れ、球威に重きを置いてしっかり練習したいと思います」

 11月の都市対抗野球に出場したため、12月は疲労を考慮してノースロー。2月からの全開に向け、1月ははやる気持ちを抑えてマイペース調整を続けてきた。大野練習場で2度立ち投げし、この日が3度目のブルペン。一つ一つ段階をクリアし、満足感がにじむ。

 「(捕手が)座るところまでいけたので良かった。トレーニングのやり方や体の使い方に意識を向けられるようになったのは成長。思い描いた以上に充実した自主トレでした」

 1軍は31日に沖縄に入り、2月1日がキャンプイン。「ここからが本番。チームとしての練習になるのでしっかりアピールしたい」と意気込むものの、そこは社会人を経験した期待の即戦力右腕だ。向こう見ずなことはしない。

 「キャンプはシーズンに向けた準備段階。1日にブルペンに入れたらいいけど、無理はしません。最初に飛ばして後でダメになるより、いい状態を続けられるように徐々に徐々に上げていきたい」

 助走期間を順調に過ごし、2月からギアを徐々に上げる。ただしアクセルペダルを踏み込むのは、あくまでピークを想定するシーズン開幕後だ。戦場に臨むための心身を鍛錬する1カ月間。今の心境を、栗林は苦笑まじりに打ち明ける。

 「不安100。不安しかないです。新しい環境だし、レベルの高いところで練習するのは初めてなので」

 不安は人を突き動かす。緻密に考え抜く24歳。期待が膨らむ。(江尾 卓也)

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2021年1月31日のニュース