日本ハム・上沢、節目の10年目へ全集中!球速アップで圧倒的活躍誓う

[ 2021年1月3日 08:30 ]

全集中!直球の呼吸と刀を抜く日本ハム・上沢(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの上沢直之投手(26)がスポニチ本紙の新春単独インタビューに応じた。2本柱の一角、有原航平投手(28)のレンジャーズ移籍が決まり、エースとして大車輪の活躍が期待される今季。自身初のタイトル獲得を目標に掲げ、平均球速アップで他球団を圧倒する投球を見せることを誓った。(聞き手・東尾 洋樹)

 ――新年おめでとうございます。左膝骨折から復帰した昨季を振り返って。
 「本当に試合で投げられるのかなと思いながらキャンプが始まった。キャンプ前は1試合でも投げられたらいいなというくらいの状態だった。それが、中6日の登板間隔で投げることもできたので、今年への足がかりとなるシーズンだった」

 ――今季は有原がいなくなる。
 「頼る人がいなくなるのは初めて。本当に自分がやらないとまずいなと思う。有原さんは毎回、規定投球回を投げるイメージで、それは凄いこと。誰かが有原さんが抜けたイニング分は投げないといけない。その分、僕が頑張りたい」

 ――長いイニングを投げるために考えていることは。
 「昨年は与四球数(9イニング当たりいくつ四球を与えたかを示す指標の「BB/9」は3・5)が多かった。(自己最多11勝を挙げて)良かった18年は登板数が昨年より10試合多い25試合なのに、昨年と同じ38個(「BB/9」は2・1)。成績が残る時は無駄な四球がないので、与四球数が少なくなれば完投も増えると思う」

 ――完投といえば昨季沢村賞を受賞した中日・大野雄が20試合で10完投。
 「全球団の選手のデータが見られるアプリで大野さんの投球をよく見ている。投球がシンプルで野球の教科書みたい。だいたい2、3球で追い込んでいるので打者も勝負が早くなる。とにかく直球が強くて、制球もいい。ああいう形が理想」

 ――パ・リーグは強い球を投げる投手が多い。
 「150キロが出ないと勝負ができなくなってきている。昨年タイトルを獲得したオリックス・山本由伸(最多奪三振)、ソフトバンクの千賀さん(最優秀防御率など)、石川さん(最多勝)と、タイトルホルダーはみんな球が速い。ベースの球速が速くないと圧倒的な成績を残せない」

 ――目指すのは常時150キロか。
 「常時140キロ後半、146キロくらいでいい。今年の平均球速が144、145キロくらいなので、2、3キロ上がるだけでもだいぶ違う。本気を出したら150キロ超が出るくらいじゃないと厳しい」

 ――昨季は規定投球回未満も一時は“隠れ防御率トップ”。自身のパフォーマンスを出せればタイトル争いができる手応えは。
 「年間で安定したパフォーマンスが出せれば勝負できるかな。引退するまでに何かしらのタイトルを獲りたい。プロ野球に僕がいた証を残したい。タイトルを獲れば(タイトルホルダーの欄に)名前が残りますからね」

 ――個人的にもプロ10年目の節目の年。
 「ここからが勝負。残された野球人生は少ないので、引退するまでに隠居できるくらいのお金は稼ぎたいと思っている(笑い)。いつまでもできる仕事ではないので、常に危機感はある」

 ――19年は選手生命を絶たれかねない左膝骨折の大ケガ。改めてそう感じたのか。
 「そうですね。野球がいつできなくなるか分からないと実感した。やれるうちにやらないといけない」

 ――理想のエース像は登板日に救援陣に“今日俺たちは休みだ”と思ってもらえるような投手だと。
 「そういう雰囲気が出たら信頼の証だと思う。球数を減らすために投球フォームも見つめ直す必要がある」

 ――修正点は。
 「投げ終わりが常にぶれないように投げないと駄目かなと思う。いい時は腕で投げているというより、しっかりタイミングを合わせれば思ったところに投げられていた。体全体でコントロールするイメージをつけたい」

 ――現時点でヒントは生まれている?
 「僕は体重移動がゆっくりな方なので、もう少し体重移動のスピードを上げないといけないのかな。流れで投げる。足を上げてから一度止まると、止まったものから動かすのは結構難しい。まだ漠然としているけど、キャンプでは全然違うフォームになっているかもしれない。(他人より)頭が出るには自分で何かを変えないといけないのかな、と。今までより秀でた成績を残すためには変化が必要」

 ――ゆったりした投球フォームが上沢投手の特徴。
 「ちょっと体重移動のスピードを上げたくらいでは変わらないと思う。元々そのタイミングで投げているので。いかに体重移動の動きを速くするか、というのはある」

 ――色紙には「主役」と書いた。
 「来年は1億円プレーヤーになりたい(今季は推定年俸8500万円)。2億円近くいっても誰も文句言わないくらいの成績を残したい。“それくらいやったでしょ”と思われたい」

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