日本ハム 中田と清宮の“いい師弟関係”

[ 2020年12月13日 09:45 ]

試合前練習で清宮に守備指導する中田
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 いい師弟関係が見てとれた。日本ハムの主砲・中田と清宮の大砲コンビだ。今オフ、自身3度目の打点王を獲得するなど、シーズン終盤まで本塁打と打点の2冠を争った中田が、打率・190、7本塁打と潜在能力を発揮できないままプロ3年目を終えた清宮に「今年に関しては相手にならないというか、眼中にもないって感じだった」とばっさりと切り捨てた。

 あくまでも清宮の成長を期待してこその言葉。中田も「最終的には清宮がこのチームの看板選手として引っ張っていかないといけない存在」とのフォローも入ってはいたが、言葉のインパクトは強烈だった。そして、7日に契約更改交渉を終えた記者会見の席で清宮が中田のこのコメントについて語る場面があった。

 シーズン中も中田がグラウンド上で清宮に声をかける場面がたびたび見られた。それだけに清宮も「自分がたくさんミスをしてしまいましたけど、みんなが見ていないところで声をかけてくださったこともあった。記事では“眼中にない”ってことは言っていますが、本当に何かあるたびに声をかけていただいた。(精神的な支えとして)大きかったです」と中田のサポートに感謝した。

 一見、強面だが、実は人情味あふれる中田らしいエピソードだった。中田もドラフト1位で入団しながら初本塁打はプロ3年目。2桁本塁打を放ったのは4年目(18本塁打)だった。自身も清宮と同じく注目を集める形でプロ入りし、プロ入り直後はなかなか結果に結びつかずにもがき苦しんだ経験があるからだろう。似たような道を歩んできただけに、中田も手を差し伸べたのだろうと感じた。

 清宮は中田の優しさに感謝しつつも、来季は中田を脅かす存在となることが師匠への恩返しとなる。清宮は「守備でも打撃でも声をかけていただいている。いい結果を出して少しでも中田さんよりいい活躍ができれば」と4年目の覚醒を誓う。ボールを遠くに飛ばす才能は中田を含め、誰もが認めるところ。清宮の前に主砲として立ちはだかりつつも、中田は早く争える日が来てほしいと願っているはずだ。(記者コラム・東尾 洋樹)

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