ヒューストンの保健当局が大リーグの開催に反対 アストロズのホームゲームに警鐘を鳴らす

[ 2020年6月27日 13:12 ]

閉鎖中のアストロズの本拠地、ミニッツメイド・パーク(AP)
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 大リーグ全30球団が本拠を構えている全米27都市のうち、15都市で新型コロナウイルスの陽性率が26日までに上昇。スポーツ専門局のESPNが報じているもので、この中でアストロズの地元ヒューストン(テキサス州)とダイヤモンドバックスの地元フェニックス(アリゾナ州)では感染判明者と陽性率がともに急増した。

 これを受けてヒューストン市保健当局のトップ、デビッド・パーシー氏は「大リーグが試合を行うことを“リスクが高すぎる”と言ってもおかしくはない。もし公衆衛生上、問題があるならば私は行動を起こす」と語り、7月下旬に開幕する大リーグに対して警鐘を鳴らした。

 ヒューストンの26日の感染判明者は4739人で、約9000人に達したフロリダ州同様に状況は悪化。パーシー氏は大リーグの開幕が予想される7月24日ごろに、市内にある病院の患者受け入れは限界に達するとしており、感染が専門のエモリー大(ジョージア州アトランタ)のカルロス・デルリオ教授は「自分が責任者ならばヒューストンでの試合は許可しない」とコメント。他の専門家も「たとえ大リーグが安全マニュアルを遵守して無観客で試合を行っても、現状が即座に改善されなければ感染はさらに拡大する」と警告した。

 ヒューストンを含むテキサス州のグレグ・アボット知事(62)は5月に再開させた経済活動に再び制限を設けており、100人以上が集まるイベントでは許可が必要。ただしスポーツ関連は例外的措置としている。またダイヤモンドバックスの本拠フェニックスのあるアリゾナ州のダグ・デュ―シー知事(56)も現時点では特別な対応は取っていない。

 しかし1日で4万人以上の感染が判明した米国の中でテキサスとアリゾナの両州は、フロリダと並んで“ホットスポット”となっており、ニューヨーク、ニュージャージー、コネティカットの3州はこれらの州から移動してきた場合には14日間の検疫を義務付けている状態。大リーグの開幕はもめにもめた労使交渉の末にようやく開幕にこぎつけたが、フロリダでシーズンを再開させるNBA同様に多くの難題を抱えている。

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