阪神・西勇　7回1失点でも悲運黒星　開幕戦に続き報われぬ孤軍奮闘　矢野監督擁護「かわいそう」

セ・リーグ   阪神0－6DeNA （ 2020年6月26日    横浜 ）

＜D・神1＞初回1死一塁、オースティンの打球に飛びつく西勇（撮影・小海途　良幹）
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　阪神・西勇の祈りは届かなかった。7回を1失点で投げきった直後の攻撃だ。1死二塁で一発が出れば逆転の好機で打席に向かった自らへの代打・原口が捕邪飛に倒れ、最後まで援護点はもらえなかった。

　連敗ストップにかける思いを体現し続けた。3者凡退に抑えた3回と7回以外すべての回で安打を許しても、最少失点で抑えるのがエースたるゆえんだ。

　4回まで45球と理想的なテンポで迎えた5回に最大のピンチが待っていた。先頭宮崎に右翼へ先制ソロを浴びた後、3安打で2死満塁まで攻め込まれた。あと1本許せば致命傷になりかねない場面でも、やはり動じない。オースティンへの初球ツーシームは内角低めギリギリに決まり、完全に詰まらせての投ゴロに仕留めた。

　重量打線、特に1番・梶谷から6番・宮崎までは一発の怖さがあるだけに、いつも以上にコーナーを丁寧に攻めた。ソト、オースティン、ロペスの助っ人トリオには、外角を意識させたと思えば厳しい内角を攻めたり、緩いカーブを交えてみたりと巧みな投球術で翻弄（ほんろう）。彼らに長打を許さず、オースティンに関しては無安打に封じたことも、最少失点で済んだ一因だった。

　6回1失点で、しかも2打点を挙げた19日の巨人との開幕戦に続いて、報われない孤軍奮闘に終わってしまった。矢野監督も「1点で負け投手じゃあな、西もかわいそうやし。打つ方の責任は明らかやと思います」と同情するしかなかった。

　西勇は「チームの連敗を止められなくて悔しいです。切り替えて次の登板に向けてしっかり調整します」と気丈だった。責める者などどこにもいない。エースを見殺しにする試合はもう、今夜で最後にしたい。（巻木　周平）