松坂の魔球「スプリットチェンジ」には歴史と続きがある

[ 2020年3月17日 08:00 ]

6回から3番手で登板した松坂(撮影・尾崎 有希)
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 西武の松坂大輔投手が「スプリットチェンジ」という、日本のファンには聞き慣れない球種を投げた。15日のヤクルト戦で、村上を三振に斬った球だ。実はこの球種、松坂は10年前から取り組んでいる。

 レッドソックス時代の2010年9月26日(日本時間27日)のヤンキース戦。「ファレル(投手コーチ)に教えてもらって、試したら試合でも使えそうだった。指の位置でスピードを簡単に変えられる。この先ずっと使える球になればいい」と話していた。松坂は人さし指と親指で円を作り、残り3本の指で滑らせるように投げる「サークルチェンジ」というチェンジアップを武器にしているが、「スプリットチェンジ」は人さし指をあまり曲げず、ボールを人さし指と中指から抜くフォークに近いもの。細かく、小さい変化で沈む。しかし、日本復帰後はあまり使っていなかった。

 本人は10日ほど前に「(同僚の)ニールに握りと投げ方を教わった」と話したが、日本の球でもしっかりと鋭く落ちることを確認できたのは収穫だ。なぜなら「落ちる球」は松坂がキャンプ前から今季のキーとなる球種と考えていたからだ。1月下旬に「カットボールとツーシーム(シュート)という横の変化に縦を加えたい。でも、大きな変化はいらない」と話していた。細かくボールを動かして打者のスイングを惑わす。そして凡打に打ち取るために変化量を調整する。宮崎キャンプから人知れず投げていた球に、ニールのヒントで改良が加えられた。

 さらに、松坂はもう一つのチェンジアップも隠し持っている。一時期メジャーで「ストレートチェンジ」といわれた球種である。素人目には「スプリットチェンジ」との差は分からない。まだ底は見せていない。

 開幕延期が決まり、ここからの練習試合は原則従来の公式戦日程と同じ相手、つまりパ・リーグ相手の戦いとなる。手の内を隠す必要があるのか、ないのか。「色々な考え方はありますが、僕の場合は全部見せたとしても駆け引きなので。毎回同じパターンというものはないので」と意に介していない。

 肩と肘の状態は15年に日本に戻ってきてから最高といっていい。このまま異常なく開幕を迎えてくれれば、無数の球種の組み合わせによる投球術をみせてくれるはずだ。(記者コラム・倉橋 憲史)

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