日本ハム・輝星 「特別な気持ち」甲子園で563日ぶり登板 センバツ球児にエール「楽しんで」

[ 2020年3月7日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム0―3阪神 ( 2020年3月6日    甲子園 )

<神・日>甲子園のスコアボードと無観客のスタンドを背に力投する吉田輝(撮影・北條 貴史)
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 輝星が帰ってきた!日本ハムの吉田輝星投手(19)が6日、阪神とのオープン戦で2回1安打無失点、2奪三振。4四球と課題は残したが、無観客となった甲子園のマウンドで“原点回帰”の投球も披露した。聖地での登板は全国に「金農旋風」を巻き起こした18年夏の選手権大会決勝以来563日ぶりで、無観客開催か中止かで揺れるセンバツ出場の球児たちへエールを送った。

 降り注ぐ声援はない。気温は11度。静かで寒くても、なぜか力が湧いてくる。吉田輝にとって甲子園は、やはり特別な場所だった。

 「この景色、懐かしいな、と。凄く気持ちが引き締まった。やっぱり(甲子園は)特別な気持ちが入る」

 6回から登板。投手交代のアナウンスが流れてもスタンドの反応は何もない。でも、マウンドから見る景色は少しも変わっていなかった。銀傘も、スコアボードも。881球を投げた。あの2年前の夏以来の舞台。声援を力に変えるタイプだけに、無観客試合はマイナス材料だったが「甲子園という場所でカバーできた」と振り返った。

 先頭のボーアにいきなり四球。それでも直球を投げ続けた。続くマルテを2球で追い込み、3球目。外角低めへ糸を引くような直球が決まった。見逃し三振。球速は142キロでも、低めから浮き上がるような1球に、マルテのバットは動かなかった。金足農を秋田県勢103年ぶりの準優勝へ導いたあの夏がよみがえるような直球だ。「(甲子園は)調子がいい悪いを考えずに投げられる。ここで野球をすることは自分にとって特別なこと」。思い出の地が力をくれたのか。そんな直球が何球かあった。

 6回の2四球の走者は、捕手の宇佐見がともに盗塁阻止。7回も2四球などで2死満塁とされたが、中谷をスライダーで見逃し三振に斬った。栗山監督が「喜び勇んで投げる魂を見たい」と期待した甲子園で2回1安打無失点。4四球と制球やクイックで課題を残した一方で「いい直球も投げられた」と手応えを感じた部分もあった。

 夢舞台での47球。吉田輝は最後に現時点では無観客での開催を模索するセンバツへの出場32校の球児へエールを送った。「圧巻の投球をすれば相手の“無理だな”という声が聞こえるだろうし、悪くても仲間の励ましの声が聞こえる。こういうのも悪くない」と話すと、続けて「無観客は残念だけど、ここで(野球を)できることがいいこと。楽しんでほしい」と力を込めた。

 プロ野球は予定通りならセンバツ開幕翌日の3・20に開幕する。甲子園で力をもらった吉田輝は、開幕1軍への道を全力で突き進む。(秋村 誠人)

 ▽吉田輝の18年甲子園VTR 金足農のエースとして1回戦の鹿児島実戦から準決勝の日大三(西東京)戦まで5試合連続完投。秋田県勢としては103年ぶりの決勝進出を決め「金農旋風」を巻き起こした。大阪桐蔭との決勝戦は最速147キロも記録したが、5回に根尾(現中日)に2ランを浴びるなど12安打12失点と力尽き、5回132球で降板。チームも2―13で敗れて大阪桐蔭に2度目の春夏連覇を許したが、6試合で計881球の熱投で全国に感動を届けた。

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