広島・野村 巻き返しへ最強ボディー!人生MAX、88キロに増量「強くて柔軟性のある体を追求」

[ 2020年1月18日 05:30 ]

自主トレをする広島の野村
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 広島・野村祐輔投手(30)が17日、故郷の岡山県倉敷市で自主トレを公開した。オフに地道なトレーニングを積み重ね、体重は自己最高の88キロに増量。1年前は仕上げにこなしたメニューを今春は初日にクリアする充実ぶりだ。明大の後輩・森下がドラフト1位で加入した今季。最強ボディーを手に入れた右腕は、手本になるべくキャリアハイを目指す。

 濃密な時間だった。社会人野球に所属する明大の後輩を相手に励む野村の自主トレ。キャッチボールは約80メートルまで距離を伸ばし、軌道確認に平地で投球するタッチ&フィールは力強い。体幹や筋力トレーニングに顔をゆがめる表情にも、充実感がみなぎっていた。

 「1年間戦えるように強くて柔軟性のある体を追求しています。まずは下半身を鍛え、それに負けない上半身をつくりたい」

 既に成果は表れている。「今までで一番重たい」という体重は、トレーニングで84キロから88キロに自然増量。それでいて走力は変わらず、機敏性も失われていないという。さらに「昨年の自主トレ仕上げでやったことが(今年は)初日からできている」と強調した。

 失地回復への思いは強い。昨季は登板18試合で6勝5敗、防御率4・06。低迷が続き、「悔しいの一言」と振り返る。巻き返し。取得した国内FA権を行使せずに残留し、新たに2年契約を結んだのは「チームの勝利に貢献する」ためだ。

 一念発起する理由はまだある。チームには大学No・1で即戦力の誉れ高い後輩・森下が加入。昨季限りで退任した恩師の善波達也前監督から「森下を頼む」と言付かった8年前の新人王も、同じ先発枠を争う身として負けていられない。

 「一緒にできるのは楽しみ。聞きたいことがあれば助言するし、いいお手本になれるように頑張りたい」

 近年は「体を大きく使って投げる」を主眼に置いていたが、過剰な意識が無駄な動きにつながり、制球にも微妙なズレを生んでいた。最強ボディーを駆使して目指すのは、横振れの少ない投球フォーム、球速表示よりも速く感じさせる直球。野村は力を込める。

 「改善されれば、理想とするボールに近づく。毎年の目標でもあるけど、キャリアで一番の成績を残したい」

 経験豊富な30歳。V奪回を果たすには、その復調が欠かせない。(江尾 卓也)

 ≪今年の一字は“笑”「どんな時でも、笑顔を忘れずに」≫野村に、今年の一字を問うと「笑」と即答した。読んで字のごとく「長いシーズンにはいい時も悪い時もある。どんな時でも、笑顔を忘れずにやりたい」という思いを込めたもの。リーグ4連覇を逃して4位に沈み、個人でも不本意な成績に甘んじた、昨季の二の舞は演じないという意味もある。「佐々岡監督が言われるように(投手と野手の)一体感を大事に、チームでも個人でも笑っていたい」と力を込めた。

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