侍ジャパン・稲葉監督 根底にある「学びの精神」が生むチームの結束力

[ 2020年1月18日 09:30 ]

講演する侍ジャパン・稲葉監督(撮影・会津 智海)
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 侍ジャパンの稲葉篤紀監督(47)は、学びの人だ。17年7月31日、侍ジャパンの監督に就任した。以来、3年連続で年末にインタビューを担当させていただいた。毎回、その年のテーマを漢字一字でしたためてもらった。18年は「学」。19年は「創」。そして東京五輪本番を迎える20年は「結」。就任当初から「ホップ、ステップ、ジャンプ」と最大目標である20年への理想形を口にしていた。ただ根底にあるものは、やはり最初に記した「学」だと感じる。

 「キャンプを視察して回りますが、各監督にあいさつしながら、またアドバイスをしていただこうと思います。例えば原監督は、本当に話をたくさんしてくださる。今回も楽しみです。学びという意味ではまだまだ。この半年で学んだことを、またオリンピックに生かしたいですね」

 17日に全日本大学野球連盟監督会で講演後、2月の予定についてそう語った。本当に楽しみにしていそうな笑顔が印象的だった。
 10年ぶりに国際大会のタイトルを獲得したプレミア12。その直前に語った言葉も同様だった。

 五輪前哨戦であり、予選も兼ねた。とはいえ、日本は開催枠で東京五輪出場権を唯一手にしていた。長いシーズンを戦い抜き、疲労や故障から辞退する選手もいた。五輪本番を見据えて、さまざまな布陣や戦い方も模索できた大会。かたくなに「優勝」「必勝」と説いた。選手、チームに自信を持たせること。優勝を経験すること。それによる結束。五輪につながる戦い方を見いだすこと。他にも目的はいくつも挙げられた。大会を前にした稲葉監督に「その中で、勝つことで何を一番得たいですか?」と聞いた。
 「自分自身の成長、でしょうね。五輪へ向けて私の成長、それが一番得たいところです。常に勉強の場です」

 優勝監督となった稲葉監督に、答え合わせを求めた。得られた一番大きなものは何ですか?と。

 「人間性ですかね。選手とのコミュニケーションであったり。人の気持ち、心を動かすというね。本当に動かせたかどうかは分かりません。でも、チームが一つになったというものは見えたので。そういう伝え方であったり、対人間、人、というもの。非常に今回学んだことです」

 常に人に学び、向上心を欠かさない指揮官の下だからこそ、ここまで結束力を生んできたのではないだろうか。これまで以上に、何よりも結果を求められる東京五輪。その中であってでさえも、稲葉監督の中にある学ぶ姿勢は恐らくぶれることはない。金メダルを獲得できた後、真夏の極限状態の戦いで、何を学んだのか。そのことを伺う時を、心待ちにしている。(記者コラム・後藤 茂樹)

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