阪神2位 履正社・井上に恩師・岡田監督「ホームラン王獲って」山田哲、T岡田に続くOB3人目期待

[ 2019年10月22日 05:30 ]

あいさつ後、笑顔で目標を書いた色紙を掲げる履正社・井上(撮影・亀井 直樹)
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 阪神からドラフト2位指名された履正社・井上広大外野手(18)が21日、恩師である岡田龍生監督(58)から近い将来の本塁打王獲得指令を受けた。プロ野球選手を輩出するだけでも大変なことだが、タイトルホルダーとなれば、さらに壁が高くなる。そんな中で履正社OBはオリックスのT―岡田が33本塁打で10年に、ヤクルトの山田哲が38本塁打で15年に、それぞれ本塁打王に輝いた。過去、同一高校から3人の本塁打キング誕生はなく、井上は恩師から壮大な夢を託された。

 「岡田と山田の2人がホームランのタイトルを獲っているので、次は安田(ロッテ)か井上か。ぜひホームラン王を獲ってほしいと思っています。なんとか3人目が出てきてほしいですね」

 思いに応え、虎党を歓喜させるだけの能力を秘めている。今夏の甲子園大会では3本塁打。星稜との決勝では奥川(ヤクルト1位指名)からスライダーを中堅左に運ぶ3ランを放ち、初の全国制覇の原動力となった。

 「やっぱり自分の持ち味はホームランを打つことだと思うので、ホームランを打ってファンのみなさんを喜ばせたいと思います」

 心は既に猛虎の一員で、矢野監督が掲げる「誰かを喜ばせる」を念頭に置く。本物の“アーチスト”になるための準備も開始。焼き肉店に行くと全てのメニューを複数人分頼むほどの大食漢だが「プロ野球では自分がお金を稼ぐためにやるので」と現在はタンパク質を中心に炭水化物をあまり摂取せずプロ仕様の体形にするため減量に取り組む。現在の体重をあと5キロ程度減らし、そこから筋肉をつけて理想の体重に戻すプランだといい、高い意識をもってトレーニングに励んでいる。

 担当の渡辺亮スカウトが「4番で真っすぐがあまりこない中で、甘い変化球を一振りで遠くに飛ばす魅力もある」とほれ込むなど、球団待望の右の長距離砲として期待は高まるばかりだ。

 「最終的には自分がチームを引っ張っていく選手になりたいと思います」と話し、目標を聞かれると、色紙に「ホームラン王」と書き込んだ。今夏大暴れした聖地が来季からは本拠地となる。全国制覇チームの4番から猛虎の4番へ――。架けるアーチの一つ一つが相手の戦意を喪失させ、虎党を沸かせる。(阪井 日向)

 ○…過去本塁打王になった選手(外国人選手を除く)で出身高校が同じだったのは、41年8本塁打の服部受弘(名古屋=現中日)と52年27本塁打の杉山悟(名古屋)の旧制愛知県岡崎中(現岡崎)。10年33本塁打のT―岡田(オ)と15年38本塁打の山田哲人(ヤ)の履正社の2例だけ。服部は大学、杉山は軟式野球チームを経てのプロ入りで、T―岡田と山田哲は履正社から直接プロ入りしている。

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