阪神・鳥谷、CS突破で「甲子園に帰ってこられるように」 矢野監督「トリの力は勝つために必要」

[ 2019年10月5日 05:30 ]

フリー打撃を行う鳥谷(撮影・北條 貴史)
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 クライマックスシリーズ(CS)は、5日にセ、パ両リーグともにファーストステージ(3試合制)が開幕。セはレギュラーシーズン2位のDeNAが3位の阪神を横浜スタジアムに迎える。今季限りで阪神を退団する鳥谷敬内野手(38)は最終調整を終えて、再び日本シリーズを甲子園で戦うことを胸に秘めて、この日横浜入りした。

 野球の神様も、まだまだ「阪神・鳥谷」を見ていたいのだろう。6連勝フィニッシュで決めた逆転CS。奇跡を起こした原動力は、選手たちの、もう少しいっしょにタテジマを着ていたい――との思いだ。きょうから始まるファーストSも、もちろん鳥谷がキーマンになる。

 決戦前日の全体練習では福留と同組のフリー打撃で鋭い打球を広角に飛ばした。そのあと、遊撃を守って打球を追った。長年守ってきた甲子園の“聖域”で汗を流し、自身8度目のポストシーズンへ準備を完了させた。レギュラーシーズン同様、代打の切り札として待機する。矢野監督が起用法について言及した。

 「全部いい場面になるんじゃないの。だって、先頭バッターとしていくところでもいい場面だろうしさ。トリがいくところって全部いい場面でしょ」

 最終盤8月と9月の代打成績は25打数7安打の打率・280、4打点。指揮官の言う「全部いい場面」でこの数字は悪くない。さらに「代打・鳥谷」がコールされた時の異常なまでの大歓声は相手に重圧を与える効果もある。矢野監督も、その見えないパワーに期待を寄せた。

 「トリの力というのは大きいものがあると思うし、雰囲気が変わるという部分ももちろんある。チームが勝つために…っていうところでは必要だと思うのでね。トリの力っていうのは」

 この日を「ラスト甲子園」にするつもりはない。お別れを言うために遊撃のポジションに就いたわけではない。ましてや、感傷にひたるためでもない。日本シリーズという舞台でもう一度、ここでプレーするための準備だ。指揮官も、3位からの下克上を力強く見据えた。

 「それを目指してやってますし、この甲子園で野球を、日本シリーズをやれるのは最高の幸せだと思う。ここに帰ってこられるよう精いっぱいやります」

 レギュラーシーズン最終盤に見せた圧巻の強さで横浜スタジアムも、その先の東京ドームも突破してみせる。その主役の1人は、間違いなく鳥谷だ。 (巻木 周平)

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2019年10月5日のニュース