高野連「飛ばないバット」も提言 国際基準への対応と選手保護目的

[ 2019年9月21日 05:30 ]

「投手の障害予防に関する有識者会議」第3回会合 ( 2019年9月20日    大阪市内 )

 日本高野連は反発性能の高い金属製バットを見直し、木製バットに近づける方針を示した。

 国際基準への対応や選手保護を目的とし、有識者会議の委員を務める田名部和裕理事が「球数制限と同時に打撃優位の環境を変えることも必要」と説明した。会議では現行の基準を担当する製品安全協会内に、新基準に関わる専門委員会を11月中に設置することを報告し、了承された。

 近年は打高投低が顕著で、17年は夏の甲子園新記録の68本塁打を記録。また、今夏の甲子園大会2回戦では、岡山学芸館の丹羽淳平投手が左顔面に打球を受けて頬骨を骨折する事故も発生している。金属バットの高い反発力が影響したとも考えられるだけに、急務の課題として浮上した。

 木製バットに近い「飛ばないバット」は、バットの最大径を現行の67ミリから64ミリに減少することが提案された。細くすることで反発係数が下がり、試算としては飛距離は5%落ちるという。国際大会でも世界基準のバットの必要性が指摘されている。専門委員会との協議の中で具体的な新基準導入時期を決めていく。

 ◆高校野球と金属バット 金属バットの導入は74年からで、当時は重さなどに規定はなかった。飛距離を伸ばす目的で軽量化が進むと、約800グラムが一般的に。打球速度の向上による事故が多発し、01年に高野連はバットの最大直径を67ミリ未満、重量を900グラム以上と規定を設けた。形状についても「先端からグリップまではなだらかな傾斜でなければならない」と決定した。

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2019年9月21日のニュース