【中畑清 キヨシスタイル】豪華役者で最後まで楽しませる西武の野球

[ 2019年9月18日 08:46 ]

打率トップの西武・森(撮影・尾崎 有希)
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 いくらリードされても最後まで諦めない。サッカーにはない一発逆転の魅力。野球の醍醐味(だいごみ)を満載した西武が土壇場で首位に立った。野球界に何かを投げかけてくれているような気がする。

 野球は点取りゲーム。0点に抑えても点を取らなきゃ勝てない。逆に何点取られても相手より1点多く取れば勝てるんだ。

 リーグワーストのチーム防御率4・39。弱体投手陣をリーグトップのチーム打率・267、720得点の打線がカバーする。主力選手が3人抜けても、その図式は去年と一緒なんだよね。

 FAで3番の浅村栄斗が楽天、41試合にスタメンマスクをかぶった炭谷銀仁朗が巨人へ。14勝4敗の菊池雄星はポスティングシステムでマリナーズに移籍した。そりゃあ痛いよ。開幕いきなりソフトバンクに3連敗。終始首位を独走した去年から一転、苦しいスタートになった。

 それでも西武打線には浅村の穴を感じさせないほど役者がそろっている。過去本塁打王6度のおかわり君、中村が8月11日から4番に戻ってリーグ最多の120打点。その座を譲った山川はどすこい、7番に下がってもリーグ断トツの42本塁打に115打点を重ねた。

 2人に続く100打点の森はリーグ首位の打率・339。・331で追う吉田正(オリックス)をかわせば、パ・リーグでは65年の野村克也さん(南海)以来54年ぶり捕手の首位打者だ。

 打つだけじゃない。チーム盗塁数128は12球団最多。9番の金子侑が39個、2番の源田が30個とリーグ1、2位を占めている。打って打って足でかき回す。現役時代は堅実な守備と抜け目のない走塁で鳴らした辻監督がバリエーション豊かな攻撃を演出してソフトバンクを追い詰めたんだ。

 最後までファンに足を止めさせる面白い野球。去年はペナントレースで戦力が充実したソフトバンクの牙城を崩しながら、CSファイナルステージ5試合44失点で日本シリーズには進めなかった。

 今年は…。まずは残り8試合でマジック8のペナントレース。負けるか引き分けてソフトバンクが勝てばマジックが移る。魔法がかかったような大接戦。最後まで楽しませていただきます。 (本紙評論家・中畑 清)

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