ダル 13K奪三振ショーも「勝ちたかった」…初回走者置いての2ラン被弾悔やむ

[ 2019年9月18日 19:51 ]

ナ・リーグ   カブス2―4レッズ ( 2019年9月17日    シカゴ )

レッズ戦で8者連続奪三振を記録するなど力投いたカブスのダルビッシュ(AP)
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 カブスのダルビッシュ有投手(33)は圧巻の奪三振ショーを演じたが、手痛い一敗を悔いた。2回1死から圧巻の8者連続三振。本拠ファンの熱狂的な「YUUUコール」を浴びた。しかし、初回の2ランを含む3失点が響き、7回6安打4失点で6試合ぶりの黒星となる7敗目(6勝)。82勝69敗でワイルドカード枠を争う同地区のライバル、ブルワーズに並ばれた。

 「誰がどういう結果であれ、チームが最終的に勝っていればOKという状態。勝ちたかったです」

 前回12日のパドレス戦の14三振に続き、この日も2桁13三振。後半戦はここまで106奪三振でナ・リーグではトップに立つ。しかしながら、この時期にチームが負けてしまっては喜べない。

 8者連続三振について聞かれると「最近、球も切れていますし、真っすぐもだいぶ良い。たまにはそういうことはあるでしょうけど、自信にはなると思います」と淡々と語った。

 調子は抜群に良かった。最近2試合はフォームの乱れなど気になる部分があったが、「ブルペンでもいい感じ。不安なく試合に入れた」

 そしてこの日は最近強力な武器となったナックルカーブだけでなく、最速97マイル(約156キロ)の直球も力があり5つの三振を奪い、レッズ打線を圧倒した。

 「今日は速いカーブを(相手が)意識しているなというのは感じていて、途中から2ストライクと追い込んで真っすぐを投げたりもしていた。あれがあることで、より他の球が生きているかなと思います」

 それだけに初回が痛かった。無死一塁。2番ボットは内角低めの92マイル(約148キロ)のカットボールを、待ってましたとばかりに初球打ち。右翼線への二塁打で、一塁走者は長駆先制ホームイン。ボットはダルビッシュのカットボールを苦手としてきたが、前の対戦でも遅いカットボールを狙って左中間に本塁打したように、しっかり対策を練っていた。「プランが自分の中であって、頭の良い打者だなというのは今日再確認しました」とダルビッシュ。

 1死後、打者は8月9日の試合でカットボールを2ランされていたアキーノ。カウント0―1から2球目の96マイル(約154キロ)の直球が真ん中に入り、左越えの2ランとされた。

 「アキーノのホームランはちょっともったいなかったですね。最近真っすぐに遅れている感じがしていたので、最初は真っすぐで押していこうと思っていたんですけど、うまく打たれた」

 データではアキーノは積極的な打者で、ボールゾーンの球に手を出す確率が38・7%と高く、空振りも目立つ。だが、この日の真っすぐならゾーン内でもファウルにしかならないと攻めたのが裏目に出た。「もともと真っすぐは打つ打者なんですけど、ただ自分の真っすぐで、最近の遅れ方で、ここでいきなり合うというのは、僕の中では全く想像できていなかった」

 問題は走者を置いてのホームランだったということ。今季32被本塁打となったが、多くの投手がボールの質感の変化を口にする通り、リーグ全体で本塁打は増えている。ア・リーグのサイ・ヤング賞候補のバーランダー(アストロズ)でも34本打たれている。ただ、バーランダーが走者を置いた状況では7本しか打たれていないのに対し、ダルビッシュは13本。結果的に、走者を置いて本塁打を打たれた試合の自身に付く勝敗は0勝4敗だ。

 後半戦最初の7月12日のパイレーツ戦後、ダルビッシュはこう話していた。

 「今年の好投手の被本塁打数をみると、みんなキャリアハイに前半だけでかなり近づいている。バーランダーもそう。ただバーランダーだとソロなのに、僕の場合は2ラン、3ランになってしまう。それが防御率に影響している。でも今は、いろんな球を全部コントロールできる自信があるから、それをやればなかなか難しいだろうと思う。ホームランを打たせないための配球をする」

 後半、走者を置いて本塁打を打たれたのは12試合中3試合。だが、そのうち2試合がレッズ戦で相手はともにアキーノ。そして相手投手が好投をしたため、ともに負けがついている。

 これでカブスは残り11試合。ダルビッシュは予定通りなら、地区首位のカージナルス相手に2度投げる。「今日もそうでしたし、次も同じように自分の準備をしっかりして、やりたいと思います」。悔しさをこらえ、前を向いていた。(奥田秀樹通信員)

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