ソフトB千賀、育成出身初のノーヒッター 球団76年ぶり 毎回奪三振は史上初

[ 2019年9月7日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2―0ロッテ ( 2019年9月6日    ヤフオクD )

ノーヒットノーランを達成し、甲斐(右)と抱き合って喜ぶ千賀(撮影・中村達也)
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 ソフトバンクの千賀滉大投手(26)が6日、ヤフオクドームで行われたロッテ22回戦でノーヒットノーランを達成した。史上80人目(通算91度目)で令和に入って初。育成ドラフト出身選手では初で、球団では1リーグ時代の1943年に南海・別所昭(後の毅彦)が記録して以来、76年ぶり2度目の快挙となった。許した走者は4四死球による4人だけで、12三振を奪い、今季205三振で自身初の年間200奪三振にも到達した。

 最後の1球は「お化けフォーク」だった。2―0の9回2死一、三塁。千賀が投じた133球目は外角低めに沈み、4番・井上のバットは空を切った。マウンドをゆっくりと降り甲斐と抱き合った。野球人生初のノーヒットノーランを、優勝争い真っただ中でやってのけた。ファンの大声援も背中を押した。

 「(大声援を)ため息と悲鳴に変えたら本当にいけないと思ったので力が入った。一発が出たら2対3だなと。引き締まった試合だからこそできた。うれしいです」

 5回先頭の井上に死球を与えるまで完全投球。5回を投げ終えた時点で「(被安打が)0だなと。あと4回全力でいこうと思った」と記録を意識した。ベンチは異様な空気が流れたといい「みんながそのワードを出さないから僕が笑いそうになった」とおどけた。6回には鈴木から空振り三振を奪い、自身初のシーズン200奪三振も達成した。

 8月17日から自身3連敗。首位攻防戦となった前回8月30日の西武戦で、2本塁打を浴びて敗れた。この試合に懸ける思いを、後押ししてくれた存在もいた。朝目覚めると、携帯電話に一件のメッセージが届いていた。「今日はお前のために頑張るから」――。送り主は育成ドラフトで入団した同期の甲斐だった。「アホみたいなワンバウンドの球を止めてくれた」。ミット目掛け、腕を振ることができた。

 オフにダルビッシュ(カブス)とともに自主トレをこなし、野球への取り組みが変わった。開幕から中6日で回る登板間にも強化メニューを継続。「去年までもやっていましたけど、量が増えています」。イニング途中での降板は23試合で1試合。8回にこの日最速の159キロを計測するなど、肉体とともに心もタフになった。

 球団では南海時代の43年に別所昭が達成して以来、76年ぶり2人目のノーヒットノーランだが、毎回奪三振での達成は史上初の快挙で12勝目を挙げ、チームを5連勝に導いた。だが、大記録の余韻に浸ることはない。「大事な試合が控えている。自分の投球をして勝てれば」。エースの顔だった。 (川島 毅洋)

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