【市川いずみの届け夏エール】富島の応援団長・泉耕成君 涙こらえ守った親友との約束“最後まで笑顔”

[ 2019年8月9日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第3日1回戦   富島1-5敦賀気比 ( 2019年8月8日    甲子園 )

富島の応援団長・泉耕成君
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 富島の応援団長・泉耕成君の手には「泉を甲子園に」と仲間が寄せ書きしてくれた打撃グラブがはめられていました。5月の練習中に左足首を骨折。6月に手術しましたが最後の夏には間に合いませんでした。

 「悔しくて泣いていました…」

 落ち込む泉君のもとに来てくれたのは安藤陸君。互いの自宅は徒歩2分圏内で小、中学の9年間同じクラスだった幼なじみです。「何しよっと? 松葉つえ使っちょったらふざけちょんみてぇ!」。毎晩一緒にバットを振ってきた親友からの冗談交じりの激励で再び前を向くことができました。「俺がスタンドとグラウンドをひとつにする」。声をからしながら笑顔で勝利につながる応援に、仲間は約束通り甲子園に連れてきてくれました。

 この日の決戦の朝、「頼むぞ」と安藤君を送り出すと、西日に照らされた三塁側アルプスで一緒に戦いました。2回に三ゴロをさばいた安藤君に向かって拳を突き上げると目が合ったといいます。二人の約束は“最後まで笑顔で”。敗戦が決まると何度も深呼吸をしながら笑顔をつくりました。

 「甲子園は仲間の大切さを身に染みて感じる場所でした」

 敦賀気比の校歌を聞いた途端にあふれ出した涙を、白い打撃グラブをはめた手でそっとぬぐいました。「悔いはないです」。その表情は達成感に満ちあふれていました。

 ◆市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。高校野球検定に合格し、自宅に甲子園の土を飾るほど生粋の高校野球好き。

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