巨人“山口劇場”投げた打った走ったコケた勝った!4冠射程9勝「何が何でも勝つ気持ちだった」

[ 2019年7月6日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人8-4DeNA ( 2019年7月5日    東京D )

6回、二塁打を放ちベースに滑りこむ山口(撮影・白鳥 佳樹)
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 巨人の山口俊投手(31)が5日、DeNAを8回2安打2失点に抑え、自身初の5連勝でリーグ単独トップの9勝目を挙げた。今季最多の132球を投げ、今季初の2桁となる12奪三振。今永昇太投手(25)との最多勝同士の投げ合いを制し、打っても6回に勝ち越しにつながる左中間フェンス直撃の二塁打を放った。勝利数、防御率、勝率の投手3冠を維持し、チームを今季最長タイの6連勝に導いた。

 投げて打って転んで、勝った。「山口劇場」。頑張るパパは、少し恥ずかしそうに「しっかり走塁練習をやり直してきます」とお立ち台で笑った。

 「何が何でも勝つ気持ちだった。9番バッターとして一本でも打てて良かった」。ともにリーグトップの8勝で防御率トップの自身と2位・今永との投げ合い。2―2の6回、バットで攻略した。

 左中間フェンス直撃の二塁打。あと50センチで本塁打の当たりに激走した。続く亀井のバントで足がもつれる。二、三塁間で転倒し、リプレー検証が絡んで何度も映像がビジョンに映された。原監督も「1人でいろいろ時間差やってましたね」と言った、はうように立ち上がって激走する姿は誰もの心を打った。直後、坂本勇の適時打で勝ち越しの生還だ。

 寂しい夜にも打ち勝った。昨季までは4歳の愛娘と一緒に睡眠を取っていたが、今季は「睡眠の質を意識しています。同じ8時間でも途中で起きずに熟睡できるように」と1人で就寝するようにした。本を読んで内臓が休まる時間も研究。寝る3時間前には食事を終え、栄養価の高いゴボウやニンジンなどの根菜類を意識的に取る。

 「1人で寝ているので寂しいですけど。オフはいっぱい一緒に寝ます」と優しく笑った。年上の投手陣からは「どすこい」といじられる98キロのビッグパパ。三塁に到達すると、元木内野守備兼打撃コーチからおなか周りで両腕を広げるジェスチャーを送られた愛されキャラは、原監督から「日頃の姿勢、精進が出ていると思う。野球に向かう姿勢は若い投手たちのお手本」と一目置かれている。

 投球も圧巻だった。「イニングごとに投げ方を変えた」と要所でギアを入れ直した。中5日ながら今季最多132球の熱投。最後は3者連続三振の8回2失点、今季最多の12三振を奪って単独トップの9勝目を挙げた。投手3冠を維持し、奪三振もトップの今永に12個差の2位で4冠も狙える右腕は「やっぱり勝ったら疲れはない」と笑顔で話した。

 今季最多貯金14でセ・リーグの貯金を独り占め。山口は自身最長5連勝の味を聞かれると「えー、なんだろう、東京ばな奈じゃないですか」と本拠地・東京の名物でひと笑い?マウンドで吠えまくった姿とのギャップに、愛娘もメロメロだろう。(神田 佑)

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2019年7月6日のニュース