阪神・岩田が粘投3勝目 失策にも動じず 広島から5年ぶり勝利

[ 2019年7月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―1広島 ( 2019年7月5日    甲子園 )

<神・広> 6回2死二塁、ピンチを切り抜けガッツポーズする岩田(撮影・平嶋 理子)   
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 粘り強く投げるスタイルに蓄えた無精ひげがよく映える。阪神・岩田が不動心を貫き3勝目を手にした。

 「ミスは絶対に出るので。そこで自分が抑えれば良いだけの話。自分もミスするし、そこは助け合いで」

 動じず、引きずらない。初回先頭の菊池涼の遊ゴロを木浪が失策しても顔色変えずに腕を振った。西川、メヒア、鈴木の後続3人をすべて内野ゴロに仕留めて持ち味を存分に発揮。後輩のミスをカバーして波に乗った。

 動じず、信じた。連打で1死二、三塁を背負った2回は田中広の左犠飛で先制を許しても崩れなかった。「真っすぐが良かったので、他の球種もいい感じて投げられて、プラス、低めに投げられた」。状態の良さを実感し、自分を信じて3回からの4イニングを無安打に抑えた。打席でも3回に9球粘って四球を選ぶなど与えられた役割を果たすと、6回に打線が逆転に成功し勝ち投手の権利が転がり込んできた。先発投手に白星が付くのは7試合ぶり。前回6月22日の西武戦も岩田だった。

 「意外ですね」と目を丸くしたように広島からの白星は14年7月8日以来。上位チームからもぎ取った1勝は矢野監督からも称えられた。

 「1点を取られた後も岩田らしいピッチングをしてくれたおかげで逆転につながったと思う。1球でも多く投げさせるというところもやってくれた」

 契約するローリングス社に頼んでいた左投げ用のキャッチャーミットが先日届いた。「将来のための準備やな。子供のボール受けられるように」。空いた時間で後輩のボールを受けて、まだ「ガチガチ」の革を柔らかくする日々がうれしい。

 4月中旬からローテーションを守る1男2女の父が描く未来のキャッチボール。1軍でシーズンを完走した頃には父の思いがこもったミットも手になじんでいるはずだ。(遠藤 礼)

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2019年7月6日のニュース