加速するMLB世界戦略 「ミリオンダラー・アーム」の第2章は?

[ 2019年7月6日 11:30 ]

<レッドソックス・ヤンキース>セレモニーで整列する両軍ナイン。ファウルゾーンが広いロンドンスタジアムの全景(AP)
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 欧州拡大路線に続き、大リーグ機構(MLB)が動いた。史上初の欧州での公式戦となるロンドンシリーズ2試合で約12万人を動員し、興行的には成功を収めたMLBは3日、今度はインドのニューデリーに新オフィスを構えることを発表した。

 MLBは既に、東京、メキシコシティー、北京、ロンドンにオフィスを置いている。既に来年はカブス―カージナルスのロンドンシリーズを6月に2試合行うことが決定し、その後は欧州の他の都市での開催も目指している。そんな中、アジアの未開の地にも目を向けた。

 「インドという国での我々の可能性は、非常に大きなものがあると思っている。MLBがより成長していくために、重要な土地になる」

 国際部門の責任者であるジム・スモール副社長はそう声明を発表した。インドの人口は13億人を超え、近いうちに中国を抜いて世界トップに立つことが有力視されている。ファン層の拡大とともに、選手発掘も目標に掲げる。

 実はMLBの触手がインドに伸びたのは、これが初めてではない。2008年、パイレーツがインドの2人の若手投手とマイナー契約を結んだ。インドのテレビ番組の企画で3万人の中から選ばれた2人。企画参加後に野球を覚えた2人は、145キロを超す直球と変化球を身につけた。その破天荒な挑戦の過程は、2014年に映画「ミリオンダラー・アーム」で映像化された。

 2人のうち、ディネシュ・パテルは2010年限りで現役引退。リンク・シンはルーキーリーグや1Aで投げ続け、マイナー通算85試合に投げたが、16年限りで引退。18年にはプロレスのWWEと契約を交わして転向した。2人ともメジャーの舞台に上がることはできなかった。

 ミリオンダラー・アームの第2章は見られるのか。世界全体に目を向け、アンテナを巡らせるMLBの世界戦略が、より加速していくことは間違いない。(記者コラム・後藤 茂樹)

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