大船渡・佐々木 メジャーのスカウトをガッカリさせた?甲子園切符への“準備”

[ 2019年4月27日 08:30 ]

大船渡・佐々木  
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 今月20日に行われた大船渡(岩手)―仙台育英(宮城)の練習試合。この試合に先発した佐々木朗希投手(3年)の投球には、ただただ驚かされた。なんとしても甲子園にいくのだという気概を感じさせた。

 日本の高校野球史上最速の163キロを計測した評判に、試合が行われた仙台育英グラウンドには日米20球団に40人のスカウトが集結。ヤンキース、ロイヤルズ、ドジャースなど名だたる球団が訪れた。佐々木が投球する目の前のバックネット裏には、見ればそうと分かる体格の良い海外のスカウトがスピードガンを構えてもいる。球場の誰もが佐々木の剛速球を待ち望んだ。

 しかし、当の本人は、そんなこと露知らずという様子。この日の最速は150キロ。投球の約7割が変化球で、しかもその変化球は制球が定まらない。2回に先頭から三者連続四球を出すなど苦しみ、3回3安打2失点。メジャーのスカウトからは落胆の声も上がったという。

 一方で佐々木には、意図があったと日本のスカウト陣は分析した。ソフトバンクの作山和英アマスカウトチーフ補佐は、「甲子園に行くための準備をしているんでしょう」。

 昨夏は、岩手大会3回戦で敗退。2回戦で完投した佐々木は疲労を考慮して登板することなく、2番手投手が打ち込まれた。対戦相手は、部員9人にボート部からの助っ人2人を加えた11人野球の西和賀。まさかの敗戦だった。

 昨秋の岩手県大会でも準決勝の盛岡大付戦で敗退。佐々木は完投したものの、時に170キロを超えるマシン打撃で練習している同打線に10安打7失点を喫した。連投するための省エネ投法と、直球に強い打線への対抗策は夏までの課題だった。

 その解答を、メジャー球団へ絶好のアピールができる場で模索した。佐々木は、「このメンバーで甲子園に行くことに意味がある」と、名だたる強豪からの誘いも断って大船渡に進学。以前に甲子園への思いを聞かれると、こうも答えていた。

 「岩手では公立校がかなり長い期間、甲子園に行けていない。自分たちが行って新しい時代をつくりたい。自分たちの地区には私立がないので、頑張れば勝てるんだぞと言うところを小学生にも見せたい」。地元を愛する17歳は、誰よりも甲子園への思いが強い。

 佐々木は5月2日の春季岩手県大会で、今年初めての公式戦を迎える。そこでもどんな投球を見せるのか楽しみだ。(記者コラム・武田 勇美)

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