西武・辻監督 ファンフェスタであの選手を救う名スピーチ

[ 2018年11月23日 20:33 ]

<ライオンズサンクスファンフェスタ2018>ほおがふくれている菊池(右)を顔をふくらませて笑わせる辻監督(撮影・木村 揚輔)
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 西武・辻発彦監督(60)が23日、メットライフドームで行われた「LIONS THANKS FESTA 2018」を名スピーチで締めくくった。

 ファンにとっては、ポスティングでメジャー移籍を目指す菊池、楽天へのFA移籍を表明した浅村との別れの場にもなった。イベント中のトークショーでは、菊池がメジャー挑戦を初めてファンに報告。さらにセレモニーの冒頭では浅村が別れのあいさつを行った。

 そして辻監督による、イベントの締めくくりのあいさつ。様々な人々への配慮に満ちあふれていた。「今年1年間、頑張ってくれた選手達を本当に誇りに思います」とまずは10年ぶりの優勝を飾ったナインを賞賛。続けて浅村、菊池に触れ「先ほど浅村も、雄星もあいさつした。来シーズンは優勝に大きな力を与えてくれたこの2人が、卒業します。この西武ライオンズから旅立ちます」とした。

 そして、浅村については「なかなか表に表現しない、というか引っ込み思案な性格。キャプテンに任命しどうなるかなという気持ちもあったが、本当に彼は背中でチームを引っ張ってくれた。今年の優勝があるのも間違いなく、浅村の力も大きかった」と人柄を披露。

 菊池には「今日(腫れた)顔をみたらびっくりした。この大事な時に親知らずを4本抜く、ちょっと間抜けなところもあります。私としては親心。小さいときからの夢。メジャーリーガーに挑戦します。ただ、心配なのは神経質なところだけ。そこだけを克服し、海の向こうで活躍する雄星をテレビで拝見し、心から応援したい」と話した。

 さらに「浅村に関しては…」と浅村へ視線を向けてひと呼吸置くと、これまで以上の笑顔を浮かべて「来シーズンから敵になる。うちの投手陣が必死に抑えると思う。インコース、気をつけてください!」と強烈なジャブを見舞った。会場のファンからは笑いと歓声が起きた。

 当然、同一リーグへの移籍など浅村のFAに納得、心の整理ができないファンは少なくなかった。だが、指揮官はまず2人の存在の大きさを改めて称えたあと、ジョーク交じりに人柄を披露。そして、浅村へのいち早い「先制口撃」はもやもやしていたファンの心をいかばかりか晴らし、それによってファンへの申し訳なさを感じていた浅村も救った。名二塁手だった現役時代から、目配せ上手だった指揮官。このスピーチで菊池、浅村、ファンの立場の違う3者の複雑な思いや、それまで会場に漂っていたちょっぴり微妙なムードを、見事に和やかにしてみせた。

 イベント後。浅村も、ここ1カ月は見せることがなかった心からの笑顔を浮かべて「うれしかったですね」と辻監督のスピーチに感謝。今季の西武の強さの理由が垣間見える瞬間だった。

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