大谷 ルースのように「時代を代表する選手に」

[ 2018年11月23日 05:30 ]

メジャー1年目を終えた帰国会見で笑顔を見せる大谷(撮影・島崎忠彦)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が22日、東京都千代田区の日本記者クラブでメジャーリーグ1年目を振り返る会見を開いた。日本ハム時代同様の投打二刀流を貫き、ア・リーグ新人王を獲得。近代野球で前例のない挑戦が本場で認められた。右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けたことで打者に専念する来季、さらには描く将来の目標などを大いに語った。

 メジャー挑戦を表明した昨年11月11日と同じ壇上だった。前髪を大胆に上げ、男らしさを醸し出した大谷は笑みを浮かべ、感慨にふけった。

 「1年ぶりにここに来た。あの時の“やるぞ”という気持ちから、1シーズン。いろいろなことがあった。来年の課題も含めて充実したシーズンだった」

 日本ハム時代と同じく、メジャーで常に比較され続けたのが1914〜35年にプレーした元祖二刀流、ベーブ・ルースだった。会見でも質問が相次ぎ、大谷は「神話の中の人物と思うくらい現実から離れている存在。なかなか本塁打の出ない時代で、あれだけ数多くの本塁打を打てるというのは、とてつもなく素晴らしい選手」と敬意を表した。

 ただ、こうも言った。「“時代を代表するような選手”という意味では目指すべきところ。一選手としてより高いレベルでプレーしたい」。ルースの時代の主流は少ない得点を守り切る「スモールボール」。しかし、ルースの豪打によって米国中が本塁打の魅力に目覚め、野球が国民的娯楽に発展する契機ともなった。今季、大谷は唯一無二の二刀流として米国でスタートを切った。新たな時代を切り開く自覚と責任が確かに芽生えている。

 10月1日(日本時間2日)に右肘手術を受け、来季は打者で出場しながら、再来年の投手復帰に向けたリハビリに臨む。これも前例なき挑戦だが、二刀流こそ大谷の本懐だ。「自然な流れの中で(投打)どちらかになる可能性はあると思うけど、今の段階では全くない」。世界一の選手になりたいという思いもぶれない。「まだまだ先は見えない。そこに向けて頑張っていくのは変わりないが、5年、10年、やる中で見えてくるのではと思う。(手応えは)現役を引退する手前になるんじゃないかと思う」と言った。

 エンゼルスは14年以降、ポストシーズン進出から遠ざかる。「もっともっと本塁打を打てるようにできれば、チームも(順位が)上がっていける。プレーオフにいきたいなというのはより今年一年で強くなった。まずはそこを目指して頑張りたい」。打者一本で挑む2019年。「神話」への第2幕が開く。 (柳原 直之)

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