【斎藤隆氏サミーレポート】パドレス ビヤヌエバを巨人に手放した悩ましい事情

[ 2018年11月23日 09:30 ]

巨人が獲得したビヤヌエバ(AP)
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 パドレスで今季、ルーキーながら20本塁打したクリスチャン・ビヤヌエバ選手が、巨人に移籍することになりました。期待の若手だったので、私も驚きました。最初は日本の野球に苦労するかもしれませんが、慣れてくればかなりの数字を残すのではないでしょうか。それぐらいの選手です。

 年齢的にもまだ27歳。実質メジャー1年目の有望株をなぜ手放してしまったのか。そこにはパドレスの悩ましい球団事情があります。それは「ルール5ドラフト」対策です。マイナーで一定期間埋もれている人材を再発掘するMLB特有の制度で、毎年12月に行われます。長期的なチームづくりを目指しているパドレスはマイナーに優秀な人材がたくさんおり、格付けランキングでも30球団中1位。メジャー40人枠に入っている選手は、ルール5ドラフトの指名対象外となるため、他球団に奪われたくない7選手を40人枠に入れたのです。その代わりとして、枠から外れた7人のうちの1人がビヤヌエバでした。

 さらに、パドレスにはタティスJrという19歳の超有望株が2Aにおり、来季は開幕直後のメジャー昇格が予定されています。父親は私も対戦経験がある元カージナルスの強打者。タティスJrは本職は遊撃手ですが、三塁を守る可能性もあり、ビヤヌエバと守備位置がかぶる事情もありました。

 ルール5ドラフトは、個人的には非常にいい制度だと思います。いわゆる「飼い殺し」になっている選手が他球団に拾われることで、チャンスが開ける。かつてサイ・ヤング賞を2度受賞した左腕ヨハン・サンタナが代表例です。狙われるのは、メジャーの選手層が厚く、若手がなかなか昇格できないビッグクラブか、優秀な若手を多く抱える球団。パドレスは後者です。日本の支配下登録選手は70人ですが、MLBのようにマイナーも含めて200人以上いる中で「40人」に絞る作業は、かなり大変です。

 12月9〜13日(米国時間)に開催されるウインターミーティングの最終日に、ルール5ドラフトは行われます。誰を残して、誰を外すのか。パドレスには、近い将来を占う大事な5日間となります。 (パドレス球団アドバイザー)

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