【追球】18戦10発の筒香 転機は巨人・菅野から逆方向への一発

[ 2018年6月11日 09:51 ]

交流戦   DeNA6―3日本ハム(6回表無死降雨コールド) ( 2018年6月10日    横浜 )

<D・日>3回2死一、三塁、筒香が左越えに3ランを放つ(撮影・篠原岳夫)
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 【追球ズーム ここにFOCUS】3回に放った決勝の16号3ランは、加藤の外角低め直球を引きつけて捉え、左翼席へ運んだ。DeNA・筒香が「うまく打てた。逆方向へ打てる感覚は悪くない」と振り返るように、逆方向への一発は「調子のバロメーター」になっている。

 凡打でも、逆方向の打撃がしっかりできていれば納得できる。例えば、引っ張って強い打球の二ゴロよりも左飛がベターだ。右肩の開きを最小限に抑え、球を引きつけて打てているからだ。この日は2回、5回にも左翼フェンス直撃の二塁打。求めている逆方向への長打が、雨中での3打席に凝縮されていた。

 転機は5月18日の巨人戦。エース菅野から61打席ぶりに放った左越え2ランだった。不振から抜け出す一発をきっかけに、以降は18試合で10本と量産。「ボールをしっかり見極められるから反対方向にも長打を打てる。その余裕から自分の間合いでスイングできる形になってきた」と自己分析した上で「投手と一体化するイメージ」と独特な表現を使う。

 初めて本塁打王に輝いた16年は44本中、12本が左方向だった。28本に終わった昨季は5本にとどまったが、今季は早くも4本目。トップに立つセ・リーグの本塁打争いでも、ヤクルト・バレンティンと並走している。

 6回表途中で降雨コールドゲームとなり、3連勝。リーグ、交流戦ともに勝率5割に戻した。「チームが勝ったことが一番」。そう話す4番にとっては、逆方向に長打が出ているときの状態が一番いい。 (伊藤 幸男)

 《左方向が26・3%から33・3%に》筒香が巨人・菅野から本塁打を放った5月18日以降の打球方向を5月17日以前と比較すると、左方向が26.3%から33.3%に大きく増加している。この期間は打率も.227から.483に上昇。広角に打ち分けることが打率アップにもつながっている。

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