大商大 初の大学日本一へ発進 今秋ドラフト上位候補の太田主将は「勝てる捕手」

[ 2018年6月11日 08:00 ]

リーグ4季連続優勝の大商大ナイン。視線の先は初の大学日本一だ
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 「第67回全日本大学野球選手権大会」は11日に神宮球場、東京ドームの両会場で開幕する。2年連続9度目の出場となる大商大(関西六大学)は1回戦で2年連続6度目出場の天理大(阪神大学)と対戦する。

 5月30日に東大阪市内のキャンパスで開催された壮行会。今秋ドラフト上位候補に挙がる大商大の捕手・太田光主将(4年)は集まった教職員や学生の前で力強く宣言した。「全国大会でも強い商大を見せます」――。大学選手権で2度、明治神宮大会で1度の準優勝を誇る西の名門。投打に戦力充実の今季、悲願の大学日本一へ突き進む。

 1982年の新リーグ発足以降、大商大史上初のリーグ4連覇を成し遂げ、東の聖地へ乗り込む。今春は、開幕節で勝ち点を落とす苦しい船出を、固い結束力と猛練習で乗り越えた。第3節の龍谷大2回戦に敗れた4月16日の夜。太田は頭髪を丸刈りにすると、他のメンバーもバリカンを握った。掲げた合言葉は「形より気持ち」――。太田は「苦しい状況でも誰ひとり諦めなかった」と部の結束力に手応えを示す。

 勝てる捕手だ。1年春から全試合に先発。15年の入学以降、7度のリーグ戦で実に6度もチームを優勝へ導いてきた。3学年上の広島・岡田を筆頭にどんなタイプの投手と組んでも結果を残してきた。二塁送球タイムは最速で1秒78。中日の米村明スカウトは「勝たせる術を知っている頭脳派」と評価するように、阪神、ソフトバンク、楽天など複数球団が注目する逸材だ。

 来秋ドラフト候補の右腕・大西広樹投手(3年)が今春無傷の6勝をマーク。同候補の左腕・橋本侑樹投手(3年)に加え、左腕の尾田恭平投手(4年)らを巧みなリードで束ねてきた。課題だった打撃も飛躍的に向上。今春は主に中軸に座り、2本塁打を放つなど打率・522で首位打者に輝いた。昨冬から1・5キロのバットを振り込んできた成果が現れた。

 打線は、太田を軸に脇を固める滝野要外野手(4年)、細川大智内野手(4年)が中心。5月6日の大院大2回戦で1試合8打点の連盟記録を打ち立てた植田勝至外野手(4年)、来秋ドラフト候補の小野寺暖外野手(3年)ら勝負強い打者が並ぶ。「全国大会で何とかしたい。一発勝負ですから」と富山陽一監督。その目は本気で頂点を見据えている。(吉仲 博幸)

 <大西、抜群の安定感>〇…初戦の先発は来秋ドラフト候補の大西が最有力だ。今春は無傷の6勝。55回1/3を投げ、69奪三振、防御率0・98と抜群の安定感を誇る。3番を打つ滝野要は今春15安打を放ち、100安打の大台まであと14に迫る。左の好打者は「走者がいない時はチャンスメーカーとして、チャンスの時は走者を還したい」と話せば、リードオフマンの細川も「1番打者として出塁すること。足も使って得点に絡みたい」と意気込んだ。

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2018年6月11日のニュース