侍・稲葉監督 藤浪復活を熱望「彼の成長を見続けていきたい」

[ 2018年6月7日 08:12 ]

侍ジャパンの稲葉監督(左)にあいさつする藤浪(右)(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・藤浪が6日、雨天中止となったオリックス戦視察のため、甲子園球場を訪れた侍ジャパンの稲葉篤紀監督から復活を熱望された。

 約60メートル四方の甲子園室内練習場に侍ジャパン・稲葉監督の目が光った。阪神、オリックス両軍の代表候補選手の動きを、くまなく目で追った。若い選手が続々と台頭してくる中でも、右腕の存在は忘れていない。復活を目指し、奮闘している藤浪の名前を聞くと、声が一気に1オクターブ上がった。

 「そうですね。金本監督にも、少しずつ良くなってきている、という話をしていただきました。彼も本当にまじめ。今は苦しんでいますが、本当に良いものを持っていて、すばらしい球を持っています。(東京)オリンピックはまだ2年後なので、彼の成長というのも今後見続けていきたいと思っています」

 決してリップサービスではない。昨年5月4日を最後に白星から遠ざかるが、潜在能力は誰もが認める。17年のワールド・ベースボール・クラシックでは侍ジャパン入り。1試合に登板しただけだったが、MAX160キロ、平均でも150キロを超える直球を投げる右腕は、日本球界でも多くない。稲葉監督は投手選考のポイントとして「強いボールが必要かな、と思っています。外国人相手には特に」と言及。藤浪の直球は国際舞台で通用するとし、復活を望んだ。

 光も見えてきている。1軍復帰登板となった3日の西武戦では5回1/3を6安打7失点(自責4)だったが、味方の失策も絡む不運な部分もあった。何より制球難で苦しんだ過去の姿はなく最速も156キロを計測。藤浪自身が「感触はすごく良かった」と話せば、金本監督も「走者を気にするとストライクが入らなくなる。そこをちょっと克服できたら、かなり期待できそうな投球」と及第点を与え、次回登板に期待を寄せた。

 現在は出場選手登録を抹消されているが、次戦登板に備え1軍に同行して調整を続けている。この日は室内練習場で、強めの投球練習も行った。稲葉監督にも情報は入ったもようだ。11月には日米野球(東京ドームなど)も予定される。藤浪が代表入りするほどまでに復調すれば、金本阪神にとっては、これ以上ない戦力アップとなるはず。東京五輪までは2年もある。稲葉監督はもちろん、多くの野球ファンが、藤浪の復活を信じている。(鶴崎 唯史)

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2018年6月7日のニュース