崖っ縁のDeNA筒香「シンプルに」ラミ監督「とにかく先制点」

[ 2017年11月1日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2017第3戦   DeNA2―3ソフトバンク ( 2017年10月31日    横浜 )

<D・ソ>険しい表情のDeNA・ラミレス監督
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 0勝3敗の崖っ縁に追い込まれた。それでも、DeNA・筒香は前だけを見据える。帰りの車に乗り込む主砲の顔に、悲愴(ひそう)感は全くなかった。

 「こういう状況になったのなら、シンプルにやるしかない。明日勝つ。それだけです」

 主将として諦めない姿勢を見せた。2―3の8回。ソフトバンク・内川の打球を背中からフェンスに衝突しながら好捕。ケガをも恐れないプレーだった。打席では1安打2四球で3出塁。それでも、一歩及ばなかった。

 ラミレス監督も執念のタクトを振った。8回のマウンドに送ったのは井納。第1戦の先発投手で、5回途中7失点、89球での降板から中2日だった。「チームにいいインパクトを与えると思った」。右腕は期待に応えて1回を無失点に封じるも、パ・リーグ王者が誇る救援陣の前に打線が機能しなかった。

 逆転日本一には、4連勝しか残されていない。3連敗からの4連勝は過去のシリーズで3度しかない難事だ。ラミレス監督は現状打開へのポイントに先制点を挙げる。「とにかく早い回で点を取ることだと思う。3試合連続で初回に点を取られた。そこがキーポイントだった」。4番・筒香につなぐ上位打線の出来。それが、勝敗を左右することになる。

 横浜で19年ぶりの日本シリーズ。どこまでも青く染まった観客席はDeNAの味方だ。「明日の試合だけに集中して、強く戦いたい」と指揮官。まずは1勝。シーズン3位からはい上がってきた力を、いま一度見たい。 (中村 文香)

 ▼DeNA・井納 練習の時に「どうだ」と聞かれたので「今日から行きます」と言って準備していました。僕で出足の悪い負け方になったのでリベンジしたかった。また準備します。

 ▼DeNA・ウィーランド(6回途中3失点、打席では4回2死満塁で空振り三振)緊張もなく試合前もいい感じだったので、うまく試合に入っていけた。(好機で三振は)凄く悔しい。

 ▼DeNA・ロペス(4回に1号ソロ。巨人時代の13年第6戦に続く一発で、シリーズ2球団本塁打は14人目)追いつくことも逆転することもできなかった。明日に向けていい準備をしたい。

 ≪3試合27イニング中で26イニングビハインド≫DeNAが第1戦から3連敗。チームのシリーズ出場は3度目だが、60年4勝0敗、98年4勝2敗といずれも優勝しており、王手をかけられたのは初めてだ。この日は初回ソフトバンクに先制点を奪われた。シリーズ3試合27イニングで、ビハインドが26イニングでリードは1イニングだけと主導権を握れない。先発1番の桑原は5打席で4打数無安打、1四球。シリーズ通算で13打数無安打とさっぱり。過去のシリーズで全試合先発1番に座り最も打率の低かったのは55年木塚(南海)の7試合27打数2安打(・074)。無安打に終わった打者はいないが、桑原は巻き返せるか。

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