V奪還を期する巨人“勝負の19日間” 新戦力の台頭はあるか

[ 2017年11月1日 11:15 ]

ミーティングで選手を前に訓示する高橋監督
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 春との一番の違いは、世間の注目度、だと思う。プロ野球の各球団は11月は各地で秋季キャンプを行う。2月1日はプロ野球界の正月のような雰囲気があるが、秋は若手選手中心で、おまけに日本シリーズ期間と重なり、メディアの露出も少ない。

 ただ、来シーズンを見据えたチーム力の底上げは、秋の過ごし方が最も重要になる。今年担当している巨人は、06年以来のBクラスに沈み、秋のキャンプは前代未聞の6勤1休の過酷な日程が組まれた。高橋監督は「若い選手が個の力を上げること」と厳しい練習を課す方針だ。

 野球は秋に上手くなる――。今年3月のWBCまで侍ジャパンの監督を務めた小久保裕紀氏から「俺は30歳を超えてから秋のキャンプで毎朝、特守を受けた。守備はそれで上達した」と聞いたことがある。若手だけではなく、中堅選手にとってもレベルアップできる大事な期間だ。

 来季、4年ぶりのリーグ優勝を狙う巨人では、新戦力の台頭がなければ、巻き返しは難しい。16年ドラフト1位の吉川尚や岡本、今季1軍デビューした宇佐見らにとっては、勝負の19日間。秋に野球が上手くなる選手が出てくるか。約5カ月後、来季の開幕オーダーに名を連ねる選手は出てくるか。(記者コラム・川島 毅洋)

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2017年11月1日のニュース