ダル絶叫王手!執念の押し出し奪取 投げては7回途中1失点

[ 2017年10月19日 05:30 ]

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第3戦   ドジャース6―1カブス ( 2017年10月17日    シカゴ )

カブス戦の6回、満塁で押し出しの四球を選び、声を上げてバットを放り投げるドジャースのダルビッシュ
Photo By 共同

 ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)第3戦が17日(日本時間18日)に行われ、ドジャースがカブスを6―1で破り、3連勝で88年以来のワールドシリーズ進出に王手をかけた。ダルビッシュ有投手(31)が6回1/3を6安打1失点でシリーズ初勝利。打撃でも押し出し四球で打点をマークした。ア・リーグはヤンキースが連勝で2勝2敗とし、第5戦は田中将大投手(28)が先発する。

 捨て身の策だ。最後は絶叫してバットを投げた。2点リードの6回2死満塁、打席でダルビッシュが感情を爆発させた。

 「あんな95〜96マイル(約153〜154キロ)のカットする球を僕が打てるわけがない。四球か死球が起こったらいいなと思っていた」

 マウンドには2番手の右腕エドワーズ。初球からバントの構えで揺さぶり、3ボール。4球目も本塁を覆いかぶさるようなバントの構えを見せ、カットボールが外角に外れると雄叫びを上げた。投手が選んだ押し出し四球は、ポストシーズンでは40年ぶりの珍記録。右腕は「凄くうれしかった」と実感を込めた。

 左の代打グランダーソンも用意したが、デーブ・ロバーツ監督は「(カットボールが武器の)エドワーズは左打者は打ちづらい。ユウ(ダルビッシュ)はまだ1イニング以上はいけた」と説明。そんな場面でダルビッシュが執念を見せた。普段ならば、死球を回避するために本塁から離れて立つこともあるが、短期決戦は違う。高校球児ばりのバント作戦で貴重な1点をもぎ取った。

 投げては7回1死まで1失点。ストライク率72・8%の制球力で、わず か81球だった。初回にシュ ワバーのソロ を許したが、2回 以降は危なげなく敵地4万1871 人の観衆を黙らせた。

 15年に右肘手術を受け、手術前より進化することを誓っていた。試合後、ダルビッシュは「トミー・ジョン(手術)の前より今の自分の方がいい投手だと思う」と言った。チームはポストシーズン無傷6連勝で29年ぶりのワールドシリーズへ前進。「世界一請負人」として今季途中に加入し、地区シリーズに続く 白星を手にしたが「投球を極めるということはない。今はいいというだけ」と、さらなる高みを目指していく。

 ▽1977年ポストシーズンで投手が選んだ押し出し四球 10月7日に行われたドジャースVSフィリーズのナ・リーグ優勝決定シリーズ第3戦、フ軍の先発ラリー・クリステンソンが2回2死満塁の打席で四球を選んで打点をマークした。この回3得点で逆転したが、5―6で敗れた。シリーズは3勝1敗でドジャースが突破した。

続きを表示

2017年10月19日のニュース