【石井一久 視点】強い雨振る条件下に適した広島・薮田のカット

[ 2017年10月19日 09:40 ]

セCSファイナルステージ第1戦   広島3―0DeNA ( 2017年10月18日    マツダ )

力投する薮田
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 この試合のポイントは、ファーストSの流れを持ったまま休みなしで乗り込んできたDeNAに対し、試合間隔が空き、「途中参加」のような形の広島がいかに先取点を取るかだった。実際は相手の石田の出来がよく、4回まで得点できなかっただけに、そこまで踏ん張った薮田の好投が大きかった。

 好調な時と比べると、コースは多少ばらつきがあったが、150キロ近い力のある真っすぐとカットボールの切れでカバーした。特に強い雨が降る条件下では、投手は無駄な球を極力なくし、球数を少なくしようとする。薮田の場合、それに適したカットボールを武器としている。特にDeNA打線は投手を除く8人中、5人が左打者。真っすぐの軌道から打者の手元で食い込む球は凡打を誘うのに有効だった。結果的に5回64球。この先を考えても、余力を残したマウンドとなった。

 DeNAとしては、もう少し試合を続けたかった。膠着(こうちゃく)状態からどちらかに点が入ると、試合は動きだすもの。「さあ」という時に終わってしまった感はあるが、やはり天気には勝てない。

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2017年10月19日のニュース