広島・薮田 大役果たした5回完封「雨の中で良い投球できた」

[ 2017年10月19日 05:38 ]

セCSファイナルステージ第1戦   広島3―0DeNA ( 2017年10月18日    マツダ )

力投する薮田
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 クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージ(S)は18日、セ・パ両リーグで開幕。セ・リーグ王者の広島は、本拠地・マツダで3位DeNAと戦い5回裏終了降雨コールドゲームで勝利した。

 あらゆる重圧をはねのけた。降りしきる雨、CS初戦先発の大役、そして自身のCS初登板…。プロ3年目の今季、勝率第1位のタイトルを獲得するなど大ブレークした薮田が最速150キロの速球主体に2安打で5回完封した。

 「(プレッシャーなどは)今日まで何も感じなかった。雨の中での投球というわりには良い投球ができた。真っすぐに手応えがあって、求めている球筋や球威を発揮できた」

 得点圏に走者を許したのは1死から石田と倉本に連打を浴び一、二塁とした3回のみ。唯一のピンチも桑原を144キロ直球で遊ゴロ併殺に仕留めた。緒方監督も「非常にプレッシャーがかかるところで自分の投球をしてくれた。本当にナイスピッチング」と称えた。

 今季はチームトップの15勝。昨年まで通算4勝だった25歳が飛躍を遂げた要因の一つが精神面の成長と自己分析する。「去年までは打たれたときに言いわけが多かった。ビジターとか、雨が降っていたとか。今年は結婚したのもあって、言いわけをしないと誓ってシーズンに臨んだ。それがいい方向に働いた気がする」。

 この日も、6回6失点した7月29日ヤクルト戦同様、試合前から「苦手」とする雨が降り続いた。それでも、足が滑り始めた5回も「足が地面に着いてから投げること」を意識し、制球を乱すことなく3人で抑えた。万が一、最終6戦目までもつれたときは再び、先発する可能性が高いが「(64球と)球数を投げていないので大丈夫」と頼もしい発言に終始した。

 初戦をモノにし、アドバンテージの1勝を加えて2勝0敗。過去20度ある同様のケースでは全20チームが日本シリーズに進出している。33年ぶり日本一への挑戦権を、剛腕が大きく引き寄せた。 (柳澤 元紀)

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2017年10月19日のニュース