楽天“下克上”第2章!ソロ3発で初戦勝利 茂木また先頭弾

[ 2017年10月19日 05:30 ]

パCSファイナルステージ第1戦   楽天3―2ソフトバンク ( 2017年10月18日    ヤフオクD )

初回無死、茂木が左中間に先頭打者ホームランを放ちベンチに迎えられる
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 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)が開幕し、パは楽天がソフトバンクに3―2で競り勝ち1勝1敗(リーグ優勝アドバンテージを含む)とした。3位チームのファイナルS初戦勝利は10年日本一のロッテ以来。茂木栄五郎内野手(23)が西武とのファーストS第2戦に続く初回先頭打者本塁打を放つと、チーム3本塁打で全得点を挙げた。

 もはや楽天の「お家芸」だ。初回先頭の茂木は右足を上げてタイミングを取ると、東浜の1―1からの3球目、143キロの高めの直球を強振した。高々と上がった打球は左中間スタンドへ。貴重な先制点をもぎ取った。

 「短期決戦なので点を取れる時に取るに越したことはない。ああいう形で先制点が取れるとは思っていなかったが、振れる球は強く振ろうと思っていた」

 先頭打者アーチはレギュラーシーズンで6本。西武とのファーストS第2戦でも放った。同一シーズンのCS両ステージで放ったのは史上初の快挙。「いや、全然…」と謙遜するヒーローが、アマダー、ウィーラーの一発攻勢をも呼び込んだ。

 初回の打席を重視している。フルスイングが身上ながら、実は考え込むタイプ。「(1打席目に)打つ、打たないで、その後の打席が左右されることがある」と言う。だからこそ「1打席目は集中して打席に入る」と神経を研ぎ澄ませる。

 レギュラーシーズンで痛めた右肘は、まだ万全ではない。使うバットは後輩の田中から譲り受けた、重心が中心寄りで振りやすい白木のもの。重心を先に置く本来の赤いバットは封印している。それでも「1本出たので、状態が良いと思ってもいいのかな」と手応えが出てきた。

 コンディションを考慮し、遠征先では外出する機会も減った。部屋での時間つぶしはもっぱら漫画だ。「面白いですよね」と好んで読むのは人気漫画「キングダム」。中国の春秋戦国時代を描き、秦の若き王・政(後の始皇帝)とともに中華統一を目指す主人公・信の物語。傷つきながらも上を目指す姿を、自らに重ね合わせる。目指すはCS制覇。そして“日本統一”だ。

 ソフトバンクのアドバンテージを消し、1勝1敗のタイ。CSとなった07年以降、パのファイナルS初戦勝利は全て日本シリーズ出場につながっている。梨田監督は「まだ1つ負け越しているぐらいの気持ちでいかないと」と気を引き締めた。10年ロッテばりの下克上への道を、強打の1番が引っ張る。 (黒野 有仁)

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2017年10月19日のニュース