侍石川 開幕キューバ斬り秘策ハデータ坂手に「カーブ」

[ 2017年2月24日 05:30 ]

権藤コーチが見つめる中、ブルペン投球を行う(左から)石川、武田、岡田
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 侍ジャパン・石川の「代名詞」といえばシンカー。しかし、キューバ斬りには「カーブ」が有効になる。投球練習を終えた右腕の頭に、秘策が浮かんだ。

 「(カーブを)カウントも取れて、決め球にも使えるようにしたい。精度を上げていきたい」

 3月7日のキューバとの1次ラウンド初戦(東京ドーム)先発が決定的。小久保監督の見守る中で嶋を相手に、伸びのある直球を18球連続で投げ込む。次は、カーブ。ブレーキの利いた「遅球」が大きく落ちながらミットに吸い込まれた。3球を続けると、今度は「直球―カーブ」のコンビネーションを2度試した。合宿初日に計34球。カーブを5球、宝刀シンカーは6球織り交ぜ「60%くらい。直球とカーブは大丈夫。シンカーがもうちょっと」と振り返った。

 嶋を驚かせたのが、カーブだった。「凄く良かった。(キューバには)カーブが重要になってくるので」と太鼓判を押した。嶋は12年11月のキューバとの強化試合で先発マスクをかぶっており「真っすぐに強いバッターが多い」というイメージが残る。スイングスピードが速く、パワーヒッターが並ぶキューバ打線。強振してくる相手のタイミングを外す100キロ台の遅球は特に有効だ。「石川=シンカー」というデータも逆手に取ることもできる。「カーブは相手の頭にないところ。初球からバーンと見せるのは有効」と分析した。

 さらに石川は制球力抜群。自己最多の14勝を挙げた昨季は両リーグ最多タイの5完投をマークし、1イニングの平均球数は15・2球だった。WBCでは球数制限があり、1次ラウンドは65球。計算では5回途中までだが、カーブで芯を外し「1球勝負」を仕掛ければ、さらに投球回数は伸びる。元同僚でキューバの主砲デスパイネ(現ソフトバンク)への対策は「(パ・リーグの)他のチームの投手に聞きたい」と情報交換も進めていく。

 「開幕戦」へ向け、3月1日の台湾プロ選抜戦(ヤフオクドーム)に2番手で登板する。「打者と対戦して(カーブの)反応を見たい。投げた試合は勝てるように頑張ります」。世界一の「絶景」へ、初陣に照準を合わせる。 (神田 佑)

 ≪65球で4.27回≫石川は昨季レギュラーシーズンの与四球率(9イニングあたりの与四球)が1.22で、両リーグの規定投球回到達者26人でトップ(最少)だった。また1イニングあたりの平均球数は15.21球で、有原(日)の15.20球に次ぎ両リーグ2番目の少なさ。1次ラウンドの球数上限65球なら4.27回となり、5回途中まで投げられる計算になる。

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