筒香か中田か 侍4番争奪5番勝負!WBC前5試合で競わせる

[ 2017年2月24日 05:30 ]

筒香(右)が熱視線を送る中、フリー打撃を行う中田
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 4番候補が「五番勝負」だ。3月に行われる第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの強化合宿が23日、宮崎市の宮崎県総合運動公園でスタート。打撃練習では、4番候補の中田翔内野手(27=日本ハム)と筒香嘉智外野手(25=DeNA)が同組で行った。

 首脳陣は2人を競わせる方針で、大会本番までの強化試合などの5試合でも両者を4番で起用する。世界一奪還に向け、日本が誇る両主砲がしのぎを削る。

 フリー打撃。ケージ裏で筒香が中田の打撃を凝視すれば、中田も筒香の打撃に熱視線を送る。侍ジャパンの4番を競う左右の主砲が同組。偶然ではない。稲葉打撃コーチがその狙いを説明した。

 「刺激を与えた方がいいのかなと思った。お互いがいい意味で競争、争ってくれればいい」

 筒香はDeNAでのキャンプ同様、逆方向に打ち返した。ただ時折、引っ張った打球は軽々と右翼席に届き、48スイング中4本の柵越えを放った。中田も負けていない。41スイング中で筒香と同じ4本の柵越え。5440人の観客がどよめく。サンマリン宮崎は気温14度。強風が吹く肌寒い気候だったが、緊張感と熱気にあふれていた。

 「このWBCは野球界、子供たちにも影響するし、責任はある。自分の力を出し切るように頑張りたい」と筒香。中田は2学年下の筒香に一目置いており「(フリー打撃で)同じ組の筒香もそう」と名前を挙げた上で「いろんな選手の打撃を見て参考になるし、勉強になることはたくさんある。気合が入ってくる」と言葉に力を込めた。

 小久保監督は、まだどちらを4番で起用するかを明言していない。稲葉コーチは「監督が決めることだが、どっちも打たすんじゃないか」と話し、本大会に向けた強化試合などの実戦5試合で両者を4番で起用する方針を示した。4番を決める「五番勝負」である。

 2人はプライベートでも親交が深く、互いの実力を認め合う。15年11月の国際大会「プレミア12」で初めて4番に抜てきされた筒香は「後ろに中田さんがいるので、つないだら何とかしてくれる」と強調していた。この日4番について「言われたところで頑張ります」と多くを語らなかったが、全体練習後には特打を行った。ティー打撃で上げられた球を左手で捕ってから一度返し、再び上げられた球を打ち返す独特の練習法。「テークバックの動きの確認ですね。慌てるといい入りができない」と説明した。

 前回大会でプエルトリコに準決勝で敗れ3連覇を逃した。「目指すところは一つなので分かりやすい」と小久保監督。もちろん、世界一奪還だ。そのために中田と筒香の存在は不可欠。中田は「これだけのメンバーがそろっているので伸び伸びと持ち味の打撃ができれば」と意気込み、筒香も「最高の準備をして最高のコンディションで臨めるようにしたい」と言った。互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、4番を巡る熱い戦いが侍ジャパンをより強固にする。 (平尾 類)

 ≪中田と筒香の主な国際大会成績≫

 ▼13年第3回WBC 大会初出場の中田は6、7番で6試合に出場し打率.286(21―6)、0本、2打点。

 ▼14年日米野球 中田は親善試合を含む全6試合で4番に座るも打率.167(24―4)、1本、3打点と不調。筒香は2度の代打を含む4試合で.375(8―3)、0本、1打点。

 ▼15年プレミア12 中田は5、6番を打ち打率.429(28―12)、3本、15打点とチーム3冠の活躍を見せた。一方の筒香は、打率.385(26―10)、0本、5打点で中村剛(西)の故障を受けて大会中に5番から4番に回った。

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