中田 連勝立役者!同点弾&勝利呼ぶ四球に栗山監督「あれが4番」

[ 2016年10月27日 05:34 ]

SMBC日本シリーズ2016第4戦 ( 札幌D )

<日・広>6回、左越えに同点ソロ本塁打を放つ中田
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 しばきあげた。日本ハム・中田が本拠地に響かせた快音は勝利への、日本一への号砲だ。4番は満足顔で、その瞬間を振り返った。

 「初球、肩口からのスライダーをイメージして、ピッタリとはまってくれた。ラッキーでした」

 相手の先発は初対戦の岡田。「思ったより直球が良くて差し込まれた」と話すように、初回2死三塁では直球狙いでスライダーにタイミングを崩され一飛だった。3回の四球もスライダー中心の配球。同じ攻めでなめられてはいけない。6回、4番として覚悟を決めた。空振りか、一発か…。

 投じられたのは真ん中のスライダー。規格外の打球速度で左翼席中段に突き刺した。8回には「ジャクソンは変化球が多い。がっついて大振りはやめよう」と2ストライクから冷静に四球を選んで出塁。レアードの決勝弾を呼んだ。前夜は逆転2点打を放った後に追いつかれ、大谷がサヨナラ打。2日続けてヒーローは譲ったが、紛れもない連勝の立役者だった。

 自己最多110打点で打点王に輝き、ソフトバンクとのCSファイナルSではMVPになった。日本シリーズ開幕前の18日には札幌市内の行きつけの日焼けサロンで40分間、肌を焼きながら何も考えずにリラックス。広島に移動した19日には実家に大谷、有原ら若手を招き、母・香織さんの手料理でもてなした。4回の近藤の適時失策で劣勢となったこの試合。「誰が、ではない。野手全員のミス」と後輩を気遣い「カバーできてよかった。コンちゃんも救われたと思う」と言った。チームの中心に中田がいる。

 日本シリーズの本塁打は、12年の巨人との対戦で左手甲の骨折にもめげずに沢村から放って以来2本目。中学時代まで広島で過ごした男にとって思い入れのあるチームに、豪快な一発を浴びせた。栗山監督も「大きな一発。あれが4番。この形が中田翔」と絶賛だ。

 「優勝チーム同士なのでこういう厳しい戦いが続く。正直、負けられない」と中田。これでもう一度、広島に戻れる。家族や友人たちの前で、日本一の栄冠をもぎ取る。(山田 忠範)

 ☆中田の日本シリーズでの前回本塁打 12年11月3日の巨人との第6戦(東京ドーム)、6回2死一、三塁から沢村の初球、真ん中低めの144キロ直球を左翼席中段に運び同点3ラン。第2戦の死球の影響で左手首を痛めながらも強行出場。球団では50年ぶりとなる23歳以下での日本シリーズでの本塁打となったが、7回に阿部に勝ち越し打を許し3―4で敗れた。2勝4敗で日本一を逸したシリーズ後、骨折が判明した。

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2016年10月27日のニュース