【追球】ここぞで広島の“足”封じた日本ハム投手陣の“しつこさ”

[ 2016年10月27日 09:30 ]

SMBC日本シリーズ2016第4戦 ( 札幌D )

<日・広>4回無死一塁、広島・新井の打席で一塁にけん制する日本ハム先発・高梨
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 4回無死一塁。広島の一塁走者・丸に対して、日本ハム・高梨が警戒を強めた。1―1から一度、けん制を挟む。4番・新井を追い込んでからも、走者への意識は緩めない。けん制を2球続けると、仕上げはセットポジションで長く持ってから素早いターンで、再びけん制を入れた。

 丸は2―2からの5球目に走ったが、スタートは若干遅れた。フォークがワンバウンドになったものの、大野がカバーし二盗を阻止。今シリーズ7度目の盗塁企図で、初めて走者を刺した。高梨は「試合前から(大野)奨太さんとは“足があるから”という話はしていた。いい形でけん制ができたし、バッテリーとしてはうまくいった」と胸を張った。

 レギュラーシーズンでは、高梨―大野のコンビは盗塁を5度企図されて刺したのは一度だけ。クイックは日本ハム投手陣の中でも速い右腕。けん制を続けない癖や、セットでの「間」にも気を配れていなかったが、大舞台で見せた工夫が実った。

 広島・河田外野守備走塁コーチは「(けん制を)何とかかいくぐって成功しないといけない」と話したが、8回には代走・赤松も二盗失敗。「早く仕掛けたかったが…」と、スタートを切るまでに9球を要した。谷元が4度、けん制を挟んだ効果もあった。盗塁を6連続で決められてから2連続での阻止。広島の足を止めたことが、何よりも大きかった。(川島 毅洋)

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