【東尾修大分析 捕手編】広島の機動力止めた大野 市川も二盗阻止

[ 2016年10月27日 08:55 ]

SMBC日本シリーズ2016第4戦 ( 札幌D )

<日・広>4回無死一塁 捕手・大野はワンバウンドの投球を捕球し二盗を阻止
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 第3戦まで5盗塁と振り回された広島の機動力を、日本ハムバッテリーがようやく止めた意味も大きい。大野が見せた4回のファインプレー。先発の高梨が先頭の丸に四球を与えた場面。新井への5球目は外角へのフォークボールがワンバウンドとなったが、大野はバックハンドで捕球して二塁へストライク送球。丸の二盗を阻んだ。今シリーズで初めて盗塁を阻止した。その後、右翼手・近藤の失策で失点こそしたが、あの1球を後ろにそらしていたら、ビッグイニングとされていた可能性もある。

 私も西武監督時代の98年、横浜に1、2戦で機動力を使われて連敗。捕手を代えた経験がある。足を絡めた攻撃は勢いを生む。2死から四球で走者が出ても、盗塁で簡単に得点圏に走者を置かれると守備側も後手に回る。8回も代わった市川がしっかり二盗を阻んだ。

 一方、広島の捕手・石原も心配りでルーキー岡田の好投を引き出した。ここまで先発したジョンソン、野村、黒田にはコースギリギリに構えていた石原が、岡田には左打者の内角、右打者の外角は甘めに構えた。岡田の特長はスライド回転する直球。左打者は食い込むし、右打者は逃げていく軌道だ。ギリギリに構えてボールがかさむよりも、多少コースは甘くてもストライクをとらせた。

 両軍捕手のファインプレーが、日本シリーズ初登板の両先発投手を導いて締まった試合にした。

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