金本監督、鳥谷へ“親心” 得意の山口相手に先発復帰「自信戻った」

[ 2016年8月4日 06:21 ]

<D・神>初回2死、鳥谷は右翼線二塁打を放ち二塁へ滑り込む

セ・リーグ 阪神3―4DeNA

(8月3日 横浜)
 ようやく反攻への役者がそろった。阪神は3日のDeNA戦(横浜)に3―4で敗れ、連勝は3で止まった。とはいえ9試合ぶりに「3番・遊撃」で先発復帰した鳥谷敬内野手(35)が、4打数3安打と復調ぶりをアピール。金本知憲監督(48)も「モチベーションが上がってくるんじゃないかな」と残り42試合での巻き返しに期待を寄せた。

 鳥谷が「定位置」に帰ってきた。7月23日の広島戦(マツダ)以来9試合ぶりにスタメン復帰。チームは敗れたものの、完全復調の気配をプンプン漂わせる3安打で再スタートを切った。

 「いつでも行ける準備はしていました。(先発復帰のタイミングは)自分が決めることじゃないので。でも状態は悪くなかった。まあ、結果がすべて。勝つためにやっているので、次は勝てるように(頑張りたい)」

 スタメンから外れた10日間で本来の姿を取り戻し、先発オーダーに戻ってきた。まずは初回2死無走者で迎えた第1打席で右越え二塁打を放ち、続く福留の適時二塁打で先制のホームを踏みしめた。3回2死一塁の第2打席も右前打で好機をつくり出した。さらに5回2死無走者でも中前へ、はじき返し、3打席連続安打。自らの“復帰戦”を6月4日の西武戦(甲子園)以来、今季3度目の猛打賞で彩った。4度の守備機会もソツなくこなしてフル出場。「それを目指してやっているので」と汗をぬぐった。

 金本監督がキャプテンの復帰を決めたのは、この日の試合前だった。

 「(鳥谷本人と話したのは)きょうだね。まあ自信も戻ったようだし、その通り3本、打ってくれたしね。(技術面は)ちょっと彼の場合は分かりにくい。よくなったように見えて、よくなってなかったりとかね。見ても、あまり分かるタイプの打者じゃないから」

 これまで復帰時期に関し「簡単に戻してダメだったから簡単に下げるとか、そうなるのは避けたい。彼が本当に自信を取り戻すまではね」と慎重な姿勢を貫いてきた。本人と話し合い、その口ぶり、表情から復調を感じ取った。相手先発がこの日で通算対戦打率・462と鳥谷が得意とする山口だったことも、一つのきっかけとなった。気持ちよく再発進してほしい―。指揮官の「親心」に見事、応えてくれた。

 だから一層、勝ちたかった。「きょうはトリのためにも勝ちたかった。でも彼自身は3本、打てたから。気分的には少し前向きというか、モチベーションが上がってくるんじゃないかな。(鳥谷に関してはひと安心か、の問いに)まあね。うんうん。そうだね」と指揮官。いったん戻したからには、当然4日以降もスタメン起用となることは間違いない。背番号1がショートストップに君臨する、本来の姿を取り戻した猛虎。役者は揃った。借金10から、再び反攻を開始する。(惟任 貴信)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ(鳥谷について)いい3安打。代打の時から維持しているし、変な力みも抜けて内容も良かった。山口と相性も良かったしね。代打の打撃を見てもわかるように、プレッシャーから解放されたのか鳥谷らしい打球が出始めた。(3番起用は)4、5番の前に何とかランナーが出てもらわないとね。やってもらわないといけない選手だから。

 ≪43試合ぶり今季3度目≫鳥谷の猛打賞は6月4日の西武戦(甲子園)で3安打して以来、43試合ぶり今季3度目。この日は山口から3打席連続の3安打。鳥谷がゲーム同一投手から3打席連続安打は、昨年7月26日のDeNA戦(甲子園)以来で、この時も山口が相手。昨季も11打数6安打の打率.545と相性が良かったが、今季はこれを上回る10打数7安打の打率.700を誇る。

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