阪神・能見 “落とし穴”初回4失点 2回以降は無安打もったいない

[ 2016年8月4日 05:30 ]

<D・神>初回無死、筒香(左)に左中間ソロを打たれた能見

セ・リーグ 阪神3―4DeNA

(8月3日 横浜)
 大きすぎる落とし穴にはまってしまった。阪神先発の能見にとって、悔やんでも、悔やみきれないのは、先制点をもらった直後の初回だろう。

 「(初回の失点が敗戦につながり)結果的に見ればね…」

 先頭・桑原への初球は死球となって出塁を許すと、すかさず二盗を決められた。続く石川の二塁正面へのゴロを荒木がトンネルする適時失策を犯し、瞬く間にリードを吐き出した。

 狂った歯車はそう簡単に戻せない。続く梶谷には2球目の直球を完璧に捉えられ、右翼最上段へ飛び込む2ラン。さらに筒香にも同じく直球を逆方向の左翼スタンドに運ばれる2者連続本塁打で、打者4人から1死も取れず4点を奪われてしまった。

 調子は悪くなかったことを証明するように、2回以降はほぼ完璧な投球を披露。3回は1死から梶谷を右飛、筒香を補邪飛に仕留めるなど、痛打を浴びた中軸2人をその後の打席では計4打数無安打に封じるなど、やり返した。

 「(2回以降は修正した投球に)そうでもないけど、野手の方に助けてもらいながらね」

 本人の謙遜とは裏腹に、6回まで投げ初回の4失点(自責2)のみで許した安打は2被弾だけ。打線の反撃を待って、腕を振り続けたものの、1点差まで追い詰めるのがやっとだった。

 7回、自身の打席で代打を送られたことで76球と余力を残しての降板となった。「自分のことよりね…」とチームを勝利に導けなかったことを重く受け止めている。

 前回7月27日のヤクルト戦(甲子園)は大量援護にも隙を見せることなく今季初の完封勝利をマーク。個人的にも流れに乗って、連勝を狙ったマウンドで試練が待っていた。最後まで厳しい表情のまま帰りのバスに乗り込んだ左腕。次回登板へ向けて、早くも闘志をたぎらせた。 (遠藤 礼)

 ▼阪神・香田投手コーチ (能見について)状態は悪くなかった。リズムをつかむ前に4点取られてしまった。2回以降は修正していたけど、4点は重かったな。(初回の桑原の二盗に)簡単に走られてるのもあるし(バッテリーで)何とかしたかったところ。

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