ジーター氏 盟友イチローの逸話披露「レーザービームで周囲の見方変わった」

[ 2016年8月4日 10:15 ]

デレク・ジーター氏 (AP)

 ヤンキース一筋で20年間プレーし、一昨年限りで現役を引退したデレク・ジーター氏(42)が3日、自身が立ち上げたニューメディア「ザ・プレーヤーズ・トリビューン」でマーリンズのイチローに関する寄稿文を掲載した。

 ジーター氏はメジャー歴代6位の3465安打を記録。イチローとは2012年途中から引退した14年までチームメートだった。ヤンキースのレジェンドは「3000以上」というタイトルで、メジャー史上30人目となる通算3000安打まであと2本に迫る日本のヒットキングについて綴った。

 ジーター氏はまず、イチローのルーキー時代のエピソードを披露。二塁ベース上で初めて会話した時は、ほとんど英語でコミュニケーションができなかったというが、シーズンが進むにつれて「調子はどうだい?」といったフレーズを口にするようになったとのこと。このようなフレーズをマリナーズのチームメートから教わっていたそうだが、そうした言葉の上達具合などからジーター氏はイチローが米国での環境にうまく適応できていると感じたそうだ。

 さらに、ジーター氏はイチローがオールラウンダーな選手であることを改めて強調。「あれほどまでに素早い走塁ができる選手は他に見当たらない。プロとして25年間、スピードは彼の武器であった。打撃はもちろんのこと、肩も素晴しい。守備は過小評価されていたが、ライトからのレーザービームで周囲の見方が変わった」と続いた。

 しかし、ジーター氏が最もファンに伝えたかったことはイチローの野球に対するストイックな姿勢であったかもしれない。同氏が紹介したいくつかのエピソードは興味深い。2013年のオールスター休暇中、練習のためにヤンキースタジアムを訪れたイチローだったが、同球場はコンサートの準備のために使用不可。それでも、後半戦へ向けて体を動かしたいと考え、世界的に有名な公園として知られるセントラルパークでキャッチボールを行ったのだという。

 また、2014年のシーズン終了後、ジーター氏はロッカーを片付けるためにヤンキースタジアムを訪れたが、プレーオフ進出が断たれていたにもかかわらず、イチローが数名のスタッフとともにグラウンドで打撃練習を行っていたとのこと。その姿に同氏は少なくとも数日間は休めばいいのにと思ったそうだ。

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