山田お目覚めV31号!筒香も坂本も意識せず「目指すところ違う」

[ 2016年8月4日 05:30 ]

<ヤ・広>試合後、松岡(左端)とファンの歓声に応える山田(中央)

セ・リーグ ヤクルト6―4広島

(8月3日 神宮)
 ネクストバッターズサークルで、山田はひらめいた。「結果も出ていないし前にも球が飛んでいない状況。2年前に杉村さん(チーフ打撃コーチ)に“調子が悪いときこそ積極的にいったほうがいい”と言われたのがパッと浮かんだ」。同点の7回2死三塁。初球に集中力を研ぎ澄ました。へーゲンズの147キロ直球を振り抜き、打球は左翼席最前列へ。7試合ぶりの決勝31号2ランで、連敗を7で止めた。

 大好きな夏場で昨季は7月に10本塁打を放ったが、今季は4本塁打。雄平、川端、畠山と主軸の戦線離脱が相次ぎ、長打を警戒した相手の攻め方に調子を崩した。7連敗中は23打数3安打、打率・130。7月30日の巨人戦(東京ドーム)で左背中に受け、もん絶した死球も打撃に影響した。フォロースルーの時に患部に痛みが走り、フリー打撃では思わず顔をしかめていた。

 悪循環は二塁の守備にも及んだ。2日の広島戦(神宮)で2回1死一塁で会沢の遊ゴロで併殺完成のはずが、一塁へ送球せず。アウトカウントを勘違いした山田らしくないミスで精彩を欠いた。

 だが、負のスパイラルから抜け出す転機でもあった。この日は両親が大阪から駆けつけ神宮で観戦。前回のアーチを放った26日の阪神戦(甲子園)も父・知規さん(58)が球場で観戦していた。幸運を引き寄せる両親が見守る中、孝行息子が値千金の一打で期待に応えた。

 目標は前人未到の2年連続トリプルスリー。3冠王を競う筒香への意識を聞かれると、はっきりした口調で否定した。「難しいですけど、そう(刺激)は捉えていない。目指しているところが違う。(リーグトップを坂本に明け渡した)打率も全然気にしていない。330。大満足」。明るさを取り戻した山田の目は輝いていた。 (平尾 類)

 ▼ヤクルト・杉村チーフ打撃コーチ(山田は)あの局面で打てるんだからたいしたもの。4番でいい勉強をしていると思う。(相手のマークは)厳しいけど乗り越えないと。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月4日のニュース