金本監督「俺が俺がで行ってくれ!」打てない乗れないナゴヤ4連敗

[ 2016年5月4日 07:46 ]

<中・神>険しい表情で、ボールでお手玉する金本監督

セ・リーグ 阪神2―4中日

(5月3日 ナゴヤD)
 負の連鎖を打開するヤツ、出て来いや! 阪神は3日の中日戦に2―4で敗れ、かつて鬼門と呼ばれていたナゴヤドームで、8連敗(1分け挟む)した2012年以来4年ぶりの4連敗を喫した。金本知憲監督(48)は2得点に終わった拙攻を嘆き、「『俺が俺が』で行ってほしい、こういう時は」と奮起を促した。チームは再び勝率5割に後退。一進一退の現状を打破する爆発力のあるキーマン出現が待ち遠しい。

 決して、手も足も出なかったわけではない。ただ、勝負どころであと一本が出なかった。「相変わらず打てないわね。そこが(敗因の)一番だと思うね。先発から3点取っていないからね」。わずか2得点に終わった打線に対し、金本監督は力強い言葉で奮起を促した。

 「誰かがキッカケというか、そういうものを作っていかないとね。きょうは北條を入れたりしたけどね。『俺が俺が』で行ってほしいけどね、こういう時は。もう、『俺が突破口を開く』というね。それで行かないと。『俺が俺が』でつないでいくというかね。得点圏には何度も行くんだけどね。そこでの勝負根性。いつも言うけど、それが打者の価値だから」

 誰かのバットに期待するのではなく、自らのバットで試合を決める―。そんな特攻隊長がいてくれたら…。勝負事に「たられば」は禁物だが、そう思わずにはいられない試合展開だった。打線は得点した1回と4回以外にも、5回1死一、二塁、8回2死一、二塁、9回2死一、三塁と3度、得点圏に走者を進めた。どこかで一本が出ていれば、試合の流れを変えることができたはずだったが、いずれも後続が凡退。指揮官も、切歯扼腕(せっしやくわん)するしかなかった。

 「右打者はチェンジアップが嫌な球だったんかな。惜しい当たりもあったけど、結果的に点が入っていないわけやから。真っすぐも意外と来ていた。スピードガンより」

 相手先発は前回対戦で7回まで3安打0封されたジョーダン。同じ轍(てつ)を踏まないため、対策を立てて臨んだ試合だった。この日の試合前まで対右の被打率・194(対左は・267)だった左腕に対し、あえて先発野手8人中6人の右打者を並べた。数字だけでは測れない狙いがあった。「左打者の内角の真っすぐに威力があるので、状態のいい右を使おうと。ベテランの狩野と、北條にかけた」と片岡打撃コーチ。今季初1番起用だった大和、プロ初2番の北條、今季初先発の狩野と抜てきした右打者は得点に絡む結果を残した。だから一層、ムードを変える一撃がほしかった。

 4年ぶりのナゴヤドーム4連敗を喫し、勝率5割に後退。とはいえ指揮官はそんな些事(さじ)は意に介さない。「まあ1個勝てば、ダダッと行くんだろうけど」。その1勝をもたらす、キモの座ったヤツの出現を待っている。(惟任 貴信)

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2016年5月4日のニュース