梨田監督「打線も回ったね」 観覧車オープン日に逆転サヨナラ勝ち

[ 2016年5月4日 06:50 ]

<楽・ロ>お立ち台でスタンドの大歓声に応える岡島(左)と嶋

パ・リーグ 楽天2―1ロッテ

(5月3日 コボスタ宮城)
 3年目の「TOHOKU SMILEデー」で、ようやく笑うことができた。9回、1点差を追い付き、なお2死二塁。岡島の打球が右翼手の頭上を越えると、三塁ベースを回った楽天・嶋はサヨナラ勝ちを確信した。

 三塁ベンチのナインに「来い、来い」と手招きのポーズ。ホームを踏むと歓喜の輪の中でとびきりのスマイルがはじけた。

 「本当に気持ちだけ。相手に向かっていくだけだった」

 1点を追う9回2死二塁。嶋は「西野の直球は145キロを超える。外野手が前に来ていたので何とか低い当たりをと思った」とバットを指3本分短く持った。狙い通り146キロの直球をコンパクトに振り抜くと、打球は右翼手・清田のグラブをすり抜け、同点の適時二塁打。二塁ベース上で雄叫びを上げた。

 キャプテンの執念の一打に岡島も黙っていなかった。「嶋さんが気持ちを見せてくれて、何とかしないと男じゃない」とフォークに必死に食らいついた。自身4度目のサヨナラ打。この日3安打で打率トップに躍り出た1番打者は、嶋とともに上がったお立ち台で、2万6489人の観衆に笑顔を振りまいた。

 東日本大震災の復興を支援する目的で14年から始まった「TOHOKU SMILEデー」。しかし、過去2年はいずれも零敗。この試合も9回2死まで無得点と嫌なムードが漂っていたが、土壇場でひっくり返した。この日から新名物の観覧車が営業をスタート。負ければ最下位転落という崖っ縁での劇的勝利に、梨田監督は「打線も回ったね」とうなずいた。故障していた藤田、今江も復帰。観覧車同様に、ようやく歯車がかみ合い始めた。 (徳原 麗奈)

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