ハム浅間、プロ1号が先頭弾!「振り遅れずに修正できた」

[ 2016年5月4日 09:52 ]

<日・ソ>初回無死、先制ソロを放った浅間は中田に手荒い祝福を受ける

 敗戦の中の光明だ。日本ハムの浅間大基外野手(19)が3日、ソフトバンク戦(札幌ドーム)でプロ1号となる先頭打者アーチを放った。来日以来、13連勝中のリック・バンデンハーク投手(30)から逆方向への一発。プロ初本塁打を先頭打者アーチで記録したのは、球団史上3人目の快挙だ。4点リードをひっくり返される痛恨の逆転負けの中で、新リードオフマンとして強烈な存在感を示した。

 痛恨の逆転負けで、ヒーローになり損ねた浅間の言葉も重かった。難攻不落のバンデンハークから放ったプロ1号。しかも先頭打者アーチでチームに勢いを与えたはずだったのに、試合後「プラスに捉えていきたい」と口数は少なかった。

 衝撃の一撃だった。初回。先頭打者で振り抜いた打球は高々と舞い上がり、左翼スタンド最前列に飛び込んだ。「何がなんだかよく分からない。芯は食った打球だったが、フェンス直撃くらいかなと思って全力で走っていた」。2球目の150キロ外角直球に振り遅れてファウル。だが、再び外角に来た150キロ直球に力負けしなかった。高い野球センスを見せつけて「真っすぐが良い投手なんで真っすぐを狙っていた。振り遅れずに修正できた」。プロ初本塁打を先頭打者本塁打で記録したのは球団史上3人目の快挙だった。

 同点の9回にも右前打も放ってマルチ安打。1軍昇格後、これで3試合連続安打で打率・429と絶好調だ。腰椎分離症で苦しんだ開幕直後は千葉・鎌ケ谷の寮のベッドに寝るのにも一苦労。もちろんバットを振れなかった。それでもリハビリ中に体幹トレーニング、ストレッチなどのケアの大事さも改めて学んだ。「つらかったけど、今思えば(リハビリは)長くなかった」。全ての経験が浅間の糧になった。

 毎年恒例の「WE LOVE HOKKAIDOシリーズ2016」初日で、来場したファン全員に限定ユニホームが配られた。札幌ドームは今季3度目の満員。スタンドは「北海道新幹線カラー」で埋め尽くされたが、痛い逆転負けだった。この嫌なムードを振り払うのは若い力だ。2学年上の大谷も浅間について「最初に打ってくれて良い流れをつかんでくれた」と言った。若きリードオフマンが、厳しい敗戦の中で確かな光をともした。(柳原 直之)

 ≪球団史上3人目≫2年目の浅間(日)が初回、先頭打者でプロ1号本塁打。プロ初本塁打を初回先頭で打ったのは、新人の高山(神)が3月31日ヤクルト戦で打って以来、今季両リーグ2人目。日本ハムでは前身球団を含め56年4月15日・石原、89年4月28日・鈴木(ともに新人)に次いで27年ぶり3人目。

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