メジャーで1桁背番の投手が新たなトレンドに!?

[ 2016年5月4日 12:30 ]

レイズのスネル(AP)

 4月23日のヤンキース―レイズ戦。田中と投げ合ったレイズの先発スネルの背番号が気になった。投手としては珍しい4番。これがメジャーデビュー戦で、球団史上初の1桁背番の投手となった。11年のドラフト1巡目指名で将来を嘱望されている23歳の左腕は、5回を2安打1失点と評判通りの実力を見せつけた。

 投手の1桁背番。メジャーでは、ある資料によると、80年代は1人、90年代は3人しかいなかったという。ところが、現在メジャー40人枠に入っている投手では、4人もいる。スネルのほか、ブルージェイズで今季4勝0敗のストローマンは6番、カージナルスのリークは昨年12月にFAでジャイアンツから移籍してきた際に8番を選んだ。今季はまだメジャーでの登板はないが、カブスのエドワーズも6番で登録。現在は60日間の故障者リストに入っているロッキーズの守護神オッタビノは0番で、彼がトミー・ジョン手術から復帰してくれば5人になる。

 ちなみに、日本では今季は楽天の松井裕とDeNAのルーキー・熊原の2人だけで、ともに1番。ただ、高校野球のエース番号なので、そこまでの違和感はない。

 そもそも、なぜ投手の1桁背番は少ないのか。それは1929年に初めて背中に番号をつけたヤンキースの影響が強いと言われている。最初は打順通りにつけたため、ベーブ・ルースが3番、ルー・ゲーリッグが4番…。5、6、7、8と来て、9番は控え捕手がつけた。このため1桁は野手の背番号というイメージが定着した。

 しかし、時代は変わりつつあるのかもしれない。リークが8番を選んだ理由は「アリゾナ州立大時代につけていたから」、6番のストローマンは「祖母の誕生日(3月6日)から取った」。ブルージェイズでそのストローマンの前に1桁背番をつけた投手がいる。03~05年のジョシュ・タワーズで7番。当時、大リーグ取材をしていた時に、タワーズに「なぜ7番なのか?」と聞いたことがある。

 理由は「初めてメジャーに昇格したのが遠征先で、球団が予備で持っていたユニホームが48番と7番だけだった。でも48番はサイズが大きすぎんだ」。そして、こう続けた。「背番号のことはよく聞かれるけど、マウンドに上がったら背中の番号は自分では見えないからね」――。

 1桁背番の投手が新たなトレンドになるかは、今後の彼らの成績次第。6番をつける25歳の右腕・ストローマンは、開幕5連勝をかけて、6日(日本時間7日)のドジャース戦で、日本の伝統的なエース番号18を背負う前田と対戦する。 (記者コラム・甘利 陽一)

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2016年5月4日のニュース