オリ金子 お待たせ1勝 通算20完封は三浦、杉内に次ぎ現役3人目

[ 2016年5月1日 05:30 ]

<オ・楽>ヒーローインタビューで笑顔の金子(右)と小谷野

パ・リーグ オリックス5―0楽天

(4月30日 京セラD)
 最後の打者ウィーラーを見逃し三振に取ると、オリックス・金子の顔に笑みが広がった。今季初勝利が2シーズンぶり、自身20度目の完封劇。さらにチームの連敗を3で止め、5戦全敗だった土曜日の初白星を運んだ。

 「迷惑を掛けた分、取り返さないといけない。これから1試合も負けない気持ちでやりたい」。お立ち台で宣言したエースは拍手に包まれた。

 開幕から5試合未勝利とは思えない内容だった。3安打無四球。3ボールまで行ったのは3度だけ。四球増に苦しむチームにはお手本の投球だ。切れが戻ってきた直球を軸に、左打者7人を並べた楽天打線を手玉に取った。闘志のこもった球には力があり、27アウトのうち16個が飛球。2、4回には味方の失策で走者を背負うが動じない。19歳の相手先発・安楽に格の違いを見せつけた。

 総失点、チーム防御率がリーグワーストのチームは、投手、バッテリーコーチを既に3度も配置転換する迷走ぶり。金子も不振にあえいだ。さすがに弱気になり、悩んだ1カ月間は「正直考えたくなかった」という。だが、ふと気がついた。「自分はこんなに力んでいたかな?」。金子の極意は、いかに力まずに投げられるか。趣味のゴルフに例えて「同じ力で同じスイングをすれば、ボールは必ず同じ位置に飛ぶ。野球も一緒じゃないですか」と話したことがある。本来の「上から目線で、変化球で遊びながら」という投球を取り戻せば、やはり敵なしだ。

 不振のモレルを今季初めて4番から外し、T―岡田を起用。潮目を変えたい一戦で大黒柱が踏ん張った。観戦した宮内義彦オーナーは「エース完全復活やね。エース不在では苦しいからね」と上昇を予感してニコニコ顔だった。 (鶴崎 唯史)

 ▼オリックス・小谷野(6回に均衡を破る2点適時打。この回開始前に西村ヘッドコーチから“エースが投げているんだから絶対点取るぞ”とハッパを掛けられ)あれで一丸となった。みんなで取った点。

 ≪14年9月以来≫金子(オ)が今季初勝利を完封で飾った。自身完封勝利は14年9月10日楽天戦以来通算20度目。通算完封勝利の球団記録は米田哲也の63度だが、20度に乗せたのは金子が10人目だ。現役投手の完封勝利では三浦(D)23度、杉内(巨)21度に次ぎ単独3位。球団別の内訳を見ると楽天戦が10度で最多(次いで西武戦4度)。カード別成績でも楽天戦は24勝4敗の貯金20と圧倒している。

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