盗塁成功率1位が語るイチローの凄さ 共通する3つの極意

[ 2016年5月1日 07:20 ]

メジャー歴代5位の808盗塁の記録を持つレインズ氏

ナ・リーグ マーリンズ6―3ブルワーズ

(4月29日 ミルウォーキー)
 史上38人目の500盗塁を達成したマーリンズ・イチローだが、盗塁成功率81・4%はその中で4番目に高い数字。エクスポズなどで歴代5位の通算808盗塁をマークし、500盗塁以上の選手では歴代最高の成功率84・7%を誇るティム・レインズ氏(56=現ブルージェイズ巡回コーチ)がスポニチ本紙の取材に応じ、イチローの凄さについて語った。

 04~06年にホワイトソックスのコーチを務めていたレインズ氏。当時マリナーズで同一リーグのイチローの盗塁を間近で見ていた感想はこうだ。

 「一番印象づけられたのは、(1)盗塁できる相手かそうでないかを的確に判断し、(2)さらに相手の投球動作を読んで、(3)いつも良いタイミングで走っていたこと。それらに共通点を感じていた」

 同氏は43歳になる02年まで23年間メジャーでプレー。調整法の共通点はウエートトレーニングを一切行わなかったことだ。「筋肉が大きく硬くなってしまうから。1番打者としてプレーをするには必要なかった。ケガをしないトレーニングに集中してストレッチを徹底的にやった」。その上で「彼ほどストレッチをする選手は見たことがない。柔軟性を保つことを最も重視しているのは分かる。スピードを武器にする選手は太腿や股関節のケガを絶対に避けねばならない」と共感した。

 自身は81~84年に4年連続盗塁王を獲得したが、当時はクイックモーションを行う投手が少なかったと言う。「80年代初めは速い投手でも1・3秒。今ではこれが遅い部類に入り、1・1~1・2秒は珍しくないし、それよりも速い投手もいる。私や(歴代1位1406盗塁の)リッキー・ヘンダーソンが走りまくっていた頃とは大きく違う」。年齢のハンデを感じさせず走り続けるレジェンドについて「スピードを生かした野球を今も続けている。大好きな選手」と目を細めていた。 (奥田秀樹通信員)

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2016年5月1日のニュース