スアレス来日最速158キロ 工藤監督信頼「7、8回は彼に…」

[ 2016年5月1日 05:43 ]

<ソ・西>ソフトバンク4番手のスアレス

パ・リーグ ソフトバンク4―4西武

(4月30日 ヤフオクD)
 死守した――。ソフトバンク30日、西武戦で同点の7回1死一、三塁から緊急リリーフした新外国人のロベルト・スアレス投手(25)が、1回2/3無安打無失点にしのぎ、引き分けで首位を持ちこたえた。2位ロッテとは「マイナス0・5ゲーム差」という逆転現象が起きたが、ベネズエラからやってきた剛腕は来日公式戦最速158キロを計測するなど、不動のセットアッパーの地位を確立してみせた。

 首位陥落の危機だった。2点差の7回に救援の寺原が、1死から3連打され同点。代わった左腕・森福も秋山に左前打され、1死一、三塁になる。たまらず動くベンチから指名されたスアレスは無失点で食い止める。

 「アウトを取ることはもちろんだが、1点もやれないのは分かっていた。そういうのも認識し、抑えることができた」

 迎えた浅村には154キロの直球で押し込み、右飛。栗山は150キロ超の直球を4球続け、2ボール2ストライクとし、135キロフォークでタイミングを外して中飛でこのピンチを切り抜けた。エンジンの温まった8回はさらに加速する。同じベネズエラ出身のメヒアとの初対決では1ボール2ストライクからの4球目に来日後、公式戦最速158キロを計時した。最後は156キロで投直に抑える完璧な1回2/3。この助っ人右腕がつないだバトンをつなぎ、延長12回までゼロを並べきった。

 ぽっかりと空いていたピースがはまった。今季、8回を任せていたバリオスは5試合で防御率9・53の不調により、2軍降格。ベテランの五十嵐は左太腿裏肉離れで離脱し、すでに2敗を喫した森も不安定。工藤監督は「クイックも速いし、けん制もしっかりできるね。日本の野球を身につけてきたよ」と課題だったクイックのタイムが、合格圏内の1・2秒に入る優等生助っ人に首ったけだ。今後の起用法も「7、8回は今の段階では彼に行ってもらう」とサファテの前を任せる人材をようやく見つけた。

 しのいだのはピンチだけではなかった。ゲーム差なしだったロッテが勝利し、ゲーム差は0・5先行されたが、勝率はロッテの・630に対し、・636と6厘差で首位を死守。指導している佐藤投手コーチが「160キロを出そうとやってる」と期待を寄せる新星スアレスは「(スピードは)出るかわからないけど、出ればいいなと思います」と控えめに笑った。(福浦 健太郎)

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