西武 左の代打の切り札は今季14年目“とにかく明るい上本”

[ 2016年4月17日 12:32 ]

 今の西武には「代打の神様」がいる。今季で14年目を迎える上本だ。1980年生まれの「松坂世代」で、松坂を擁する横浜高が優勝した98年夏の甲子園に宇部商の主力として出場。02年ドラフト6巡目で西武に指名された。

 今季は主に代打起用ではあるが、7試合で9打数5安打(打率・556)という数字を残している。4月16日のオリックス戦(ほっともっと)では、1点を追う8回に同点に追いつく適時打を放ち、チームの連敗を止める立役者になった。記者も同じ1980年生まれ。同世代の選手が活躍する姿を目の当たりにすると、胸に熱いものがこみ上げてくる。

 今シーズンから西武担当になり、初めて取材した選手が上本だった。ファン向けのトークショーは笑いの連続で、ベテランらしい話術に感心させられた。いつも笑顔で冗談を飛ばしながら、チームメートとのコミュニケーションを大切にしている。昨年の流行語なので「古い」と言われてしまうかもしれないが、「とにかく明るい上本」というフレーズがピッタリな選手だ。

 チームには絶対的な正捕手・炭谷が君臨しており、捕手としてスタメン出場する機会には恵まれないが、ここぞの場面でベテラン選手のみが備えている「経験」を発揮。本人は「たまたまですよ」と謙遜するが、現時点では「左の代打の切り札」としてチームに大きく貢献している。

 平成元年生まれの選手も今年で28歳になる。各チームのレギュラー選手のほとんどが平成生まれで、昭和生まれの選手は「少数派」になっている。それでも、41歳で野手では球界最年長のロッテ・井口は今季8試合で打率・417と好調。同じく41歳の広島・黒田も4月2日の巨人戦(マツダ)で9回4安打無失点の完投勝利を収めた。元気な「昭和生まれ」の選手たちが、新聞紙面上をにぎわせてくれることを願っている。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2016年4月17日のニュース