阪神・高山 初欠場 遊離軟骨挟まり右肘“ロック状態”復帰時期不透明

[ 2016年4月17日 05:30 ]

<中・神>ベンチスタートの高山(右から2人目)は代わりに1番に入った鳥谷(1)の向こうで厳しい表情

セ・リーグ 阪神3―4中日

(4月16日 ナゴヤD)
 痛恨のダブルショック…。阪神は16日の中日戦(ナゴヤドーム)で9回逆転サヨナラ負けを喫し、3位に後退した。さらに金本知憲監督(48)は試合後、今季初めて先発から外した高山俊外野手(22)について「ちょっと肘がロックしているみたい」と説明。遊離軟骨により右肘がロッキング状態に陥ったとみられ、17日以降の試合出場も現段階で不透明だ。福留に続く主軸離脱に見舞われた“手負いの虎”に、試練の時が訪れた。

 今季の勝ちパターンであるはずの福原、マテオが8、9回に崩れ、痛恨の逆転サヨナラ負けを喫した。今季2度目の連敗で、順位も3位に後退。それだけでも十分ショックな出来事だが、試合後には、さらにショッキングな事実が金本監督の口から明かされた。今季初めてスタメンから外れた不動の1番、高山についての悲報だった。

 「ちょっと肘がね。ロックしているみたいで。ちょっとね。きょうはちょっと(出場は)無理やったんじゃないかな。詳しくは分からんけど。無理させても、あれだし」

 ただの連敗なら、やり返せばいいだけ。ベストメンバーさえ揃っていれば、十分に巻き返しは可能だ。だが今回ばかりは状況が違う。開幕から前日15日までの18試合で1番打者を担い、打率・308、1本塁打、8打点と打線をけん引。金本阪神の「超変革」の象徴の一人だった高山の状態が不透明となったからだ。

 指揮官の説明から推し量ると、遊離軟骨によって右肘の関節がロッキング状態に陥り、自由に動かせなくなったもよう。いわゆる「野球肘」と呼ばれる症状とみられる。事実、高山はこの日の試合前練習でスローイングを行わず、フリー打撃も回避。シートノックにも参加しなかった。症状が「野球肘」だった場合、関節に挟まっている遊離軟骨さえ外れればプレーすることは可能となる。だが、それがいつ外れるのか、そして、いつ再発するのかも不透明。17日以降の出場は状態を見て判断するのか、と問われた指揮官も「そうそう」と言葉少なに答えただけだった。

 当の高山本人は「何も無いです」と淡々。確かに「野球肘」を抱えたままプレーしている選手も少なくはなく、ことさらに悲観的になる必要はないかもしれない。とはいえ、左太もも裏の違和感で2試合連続欠場中の福留に続き、不動の1番だった高山も不安要素を抱えている現状。決して、視界良好とも言えない。金本阪神に初めて訪れた試練の時。全員野球で苦境を打破するしかない。 (惟任 貴信)

 ▽遊離軟骨 酷使される関節に繰り返し外力が加わり、関節軟骨や骨の一部が剥がれることで発生する。関節の中を動き回る様子から「ねずみ」とも呼ばれる。剥がれた骨の居場所が悪くなければプレーに影響はないが、場所によっては神経に触ったり、関節がロックした状態となり支障を来すことがある。

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2016年4月17日のニュース